<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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スーパーの生鮮食料品のコーナーでは2種類のレタスが置かれている。
1つは普通の結球レタスで、もう1つは「○○産」と書かれた植物工場製のレタスだ。
で、私は植物工場産の野菜は選ばず、必ず露地物を買うようにしている。

3.11以来ブームになっていた植物工場。
最近の統計によるとその7割が不採算または採算ギリギリの経営だという。
3年ほど前は1割程度しか経営が成り立っていないという政府の統計もあったので、少しは改善しているということが言えるのかもしれない。

それは尤もなことであろう。
なんといっても植物工場の野菜は大量のエネルギーを消費して栽培されているのだから露地物と比べて採算が合いにくいのは当たり前。
店頭で売られている植物工場製の野菜の少なくとも3分の1が電気代なのだ。
つまり野菜工場の野菜を買うことは、イコール大量の石油資源あるいは原子力を使用しているということなのだから。

植物工場には大きく分けて2種類がある。
太陽光型と人工光型で、一般に植物工場と読んでいるものは人工光の物が主流だ。
人工光型は閉塞された空間でLEDや蛍光灯を使用して一年中空調で気温と湿度と気流を管理された空間で作物を栽培する工場だ。
太陽の代わりに照明装置を使用するので明るさと植物に適したスペクトル分布の光が必要だが、これにまずは大量の電力が必要となる。
しかも照明装置を使用しているので熱を発するため冬でも空調が必要になり、それも大空間でエアコンを使うので凄い電力量だ。

たとえば毎日1万株のレタスを出荷する植物工場では1日あたりの電気代が70万円ほど必要になるという。
70万円の電気代というと一般では想像するのが難しいけれども、以前読んだ本によると山陽新幹線で8両編成の700系が新大阪から博多まで片道で消費する電気代がだいたい50万円というのだから、その電力量は凄いものがある。

環境を考えて、
だとか、
食料の安定生産を、
だとか、
安全な食料を、
なんてことがこういう特殊な施設園芸ではキャッチフレーズになっている。
でもホントはそういう甘っちょろいものではなく、太陽の下ですくすく育つ健康な農産物とは随分違うというのが現実なのだ。

化石燃料か原子力で作る野菜。

あなた、食べたいですか?

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