内臓ですか!?

2008年05月16日 | Weblog
テレビの影響でしょうか?

右の肩がこっている→肝臓におっかない病気がある!?

左の肩がこってる→心臓病!?

左の肩甲骨の内縁がこってる→すい臓や胃におっかない病気がある!?

などなど、不安をもたれている患者さんが多いようです。


確かに、内臓に異常があって関連のある部位に

しつこい「こり」を生んでしまう事もあります。


でもね

そういう場合は、併せて内科的な症状も起こってくるのが普通なんです。


患者さん「この背中のこりって、胃から来ているのでは…」

私「お腹の具合はどうですか?

  もたれたり、張ったり、食事の前後で

  痛んだりしますか?食欲は?

  最近急に体重が減ったり

  風邪でもないのに熱っぽかったりしますか?」

患者さん「大丈夫です…」




飲み会の時期なんかは、けっこう「胃炎」や「食道炎」

から来ていると思われる肩こりを見かけます。

こういったケースは、治療後、物の1分もすると「こり」が戻ってしまいます。

当然、上述した内科的な症状も伴いますので

「怪しいな…」

と思えば、

「試しに内科を受診されてはいかがですか?」

なんて勧めるようにしています。

患者さんからの後日談で、

「食道炎と言われ、ちょっとした胃薬を処方された。

 飲んでみたらスッキリ肩こりも治ってしまった。」

なんて話、年末年始の飲み会シーズンでは、ままあるものです。

今年もありました。。。


ついでに、内科的な問題の場合

・よる寝ているときに痛み出す
 (姿勢によって痛みのやわらぐ姿勢が見つかる時は、まず問題ないそうです)

・「波が押し寄せるように痛み出し、

  痛む間はどんな姿勢でいても痛み続け

  波が引くように痛みが引いてゆく」

  なんて痛み方(疝痛)をする

なんて特徴があります。


それでも心配になったり、迷ったりする事ってありますよね。

人間ですから。

そんなときは、お医者様に相談してみましょうね。


大丈夫!!!って言ってもらえたら

安心して過ごせるってもんですし。


何はともあれ、一つの情報だけで決めてしまわずに

総合的に考えることが重要だと思います。



こんな話を書いていると、昔、師匠にこう言われたことを思い出します。

「馬の蹄(ひづめ)の音を聞いて、シマウマだと思ってはいけないよ。」



父が癌で死に、「そんなはずはない」と判っていても

不安でたまらず相談した時

師匠のDr松本は、カラリと笑い飛ばしてくれました。

「嗚呼、やっぱりシマウマではなかったか」

と気恥ずかしく思いつつもホッと胸を撫で下ろしたものです。

おすすめ動画