坐骨神経痛

2008年11月12日 | Weblog
「坐骨神経痛だと言われた」と、

治療のご相談にいらっしゃる方はけっこう多い。

この「坐骨神経痛」と言う名前って、よくよく考えると不親切なんです。

風邪だったら「上気道感染」とか名前が付きますから

『ああ、喉に細菌やらウイルスやらが炎症起してるんだな』

ってわかりますけど

「坐骨神経痛」って坐骨神経が痛いって、症状そのままですからね。。。


「先生、頭が痛いんですぅ~

「こっ、これは!!

 頭痛だね♪


ってな話ですからね。

なんだか間抜けな感じです

出来れば、梨状筋(りじょうきん)によって坐骨神経が締め付けられている

ことで起こっている「坐骨神経痛」(梨状筋症候群)だとか

かたく縮んだハムストリングスによって坐骨神経が締め付けられている(エントラップメント)のが原因だとか

「何による症状か」を病名にして欲しいところです。


さて、そんなことはさて置き

よくある神経痛の相談ですが、

調べてみると意外に本当の神経の故障が見つからないことが多いのです。

それどころか「ヘルニア」だってご来院されたケースでも

神経の故障が見つからないケースがしょっちゅうあります

本来「神経の故障」であれば、

知覚の異常

(皮膚を触るとチクチクしたり、感覚が鈍くなっていたり)

筋力の低下

(問題のある筋肉に力を込めていただいてグイッと引き伸ばすと、支えきれなかったりします)

反射の減弱

(カッケの検査でおなじみ。

問題がなくとも両側の反応が等しく鈍いケースも多いので

故障が疑われる側だけ反応がないときは検査陽性と考えます。)

なんて所見が得られるものなのですが、

そうでないことがじつに多い。

神経は「運動の指令」を筋肉に伝えたり

体が感じ取った「知覚」を脳に伝えたり

電線!?ケーブル!?

のような役割をしているのです。

ここが擦り切れていたら?

切れかけのロープみたいになっていたら?

↑あくまでイメージ的な表現です。
神経の損傷以外に、周囲の炎症が神経に波及したり
短期でできた締め付けによる刺激によって神経に原因した症状が起きたりもします


筋肉への命令も、脳への知覚の報告も

正常にはいかなくなりそうな感じは、容易に想像できると思います。

そういった問題が生じていないのに、あたかも

「神経痛」

のような「じぃ~~~~ん」と重だるい痛みが下肢に広がってゆくことがあるのです。

それは何か!?

トリガーポイントと呼ばれる筋肉の故障による痛みであるケースが多いようです。

←ニセモノの「坐骨神経痛」小臀筋のトリガーポイントの図(トリガーポイントフリップチャートより参照)


こういった問題に、私はマニュアルメディシン(徒手医学)によるアプローチを行います。

平たく言えば、トリガーポイントができている部分を「局所的に引き伸ばす」なんてことをするわけです。

いろんな方法を使って。

上手く痛みの原因を解除できたらその後は、トリガーポイントができてしまうような

無茶な動き方をしないで済むように全体の調整をし、ちょっとしたエクササイズをし(たりしなかったり)ます。

最後に「宿題」としてセルフケアもしくはエクササイズを処方して

次回の治療に繋げる、なんてことをすることが多いです。



「なかなかシップで落ち着かない」

「いつまで経っても治らない」

そんなしつこい腰や下肢の痛みに悩まされている皆さま

どうぞお気軽にご相談下さい

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