気がつけば開業10年経ちました

2012年05月10日 | よもやま話
若かったころ、

治療家として一足飛びに成長したくて、背伸びをしていました。

今になると、自分を大きく見せようとするばかりで、

実の伴わない、張り子のトラだったように思います。


そのころの私は、技術のことばかりに頭がいっていました。

治療の技術は、患者さんに受け入れて頂いてこそ力を発揮できるものなのに、

患者さんではなく、患者さんの故障だけを見て、

それを自身の技術で変えることだけに囚われていたように思います。


そこにあるのは「我」ではなかったかと、今になると思うのです。

「おれ我、治す」

ってな感じです。


これではね…




でも、そうした態度も、

若かったせいか随分と大目に見てもらっていたようです。

いま思い返せば、ただただ恥ずかしく思います。



先日開業して10年経ちました。

この10年、お陰さまでいろいろな経験を積ませていただきました。

嬉しいこともありますし、

悲しいこともありました。

そうした経験の数々は、

「故障」を回復に導くには、

「故障した患者さん」、つまりは「人」を見なくてはならない

ということを教えてくれたように思います。


当たり前のことなんですけどね。


若かった自分は、患者さんの治療のその先に、

自分自身がどっかりと居座っていたように思えてなりません。

技術屋としての「我」ですね。


でも、それでは技術もまっすぐ伸びません。

やがて曇ってしまいます。


その道具(治療の技術)を使って何をするのか?

どういう結果を求めるのか?

道具は結果を得る手段であって、結果そのものではないんです。

そんなことにも気付かなかった自分。

いや、若かった。

ん?

若さで片付けてよいことではないか…

反省。



ともかく、そこに目が向いている今は幸せです。



これからも、故障ではなく「故障してしまった人」を治療できるよう、

日々修練を重ねてゆきます。


今後とも宜しくお願い致します。

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