そろそろ「寝違い」の季節ですね その2

2013年03月19日 | 治療の話

前回から大分間が空いてしまいましたが、引き続き「寝違い」を語ってみようと思います。

タイトルも「そろそろ」ではなく「もう」寝違いの季節

ですね…

いや、すみません。

 

さて、

前回は、

異常な姿勢から「過労」に追い込まれた筋肉が、

ふとした拍子で痙攣し、首が回らなくなった状況が「寝違い」とお考えください。

という所まででした。

今日は、この続きからですね。

 

今日は「筋痙攣:きんけいれん」についてもう少し掘り下げて説明します。

 

筋痙攣の立役者に「筋紡錘」というセンサーがあります。

筋紡錘は「自分の動きを認識する」ためのセンサーとして筋肉に散りばめられています。

しかし、筋紡錘はもう一つの働きを持っています。

それは、

「急に引っ張られて筋肉が傷つけられないように、引き延ばされた筋肉をオートマチックに縮ませる」

といった防御装置としての働きです。

これは脊髄反射といって脳まで連絡をやり取りしない反応なので

無意識で素早く強い反応となります。

 

猫背で顎を突き出した「頭位前方姿勢」や、

顎を引いて胸から首までを真っ直ぐにした「ストレートネック」のような

無理な姿勢では、肩と首(そして頭)をつなぐ筋肉に散りばめられた警報装置達は

いつでも「緊急事態」の警報を出せるよう、その感度をグッと高めてしまいます。

そうした「準備」が整っている状況で、不意に姿勢を変えようとしたとき、

運が悪いとこの警報が一斉に鳴りだし、「筋肉を守れ!!!」と反射的に縮みこんでしまうのです。

寝違いを起こすとき、多くのケースではギックリ腰と同様に『アッ!?来た!!』と兆候が見られます。

この『アッ!?来た!!』が筋肉の痙攣した瞬間です。

この瞬間に無理に動くのはNGです。

選択を誤ると立派な「寝違い」のでき上がりです。

『アッ!?来た!!』となったら元の姿勢にいったん戻すこと、これが重要。

そして一呼吸おいて、ゆっくりと頭を戻してゆきます。

これはギックリ腰も同様です。

 

くり返しになりますが、

「筋紡錘」は引き延ばされることで反応しますので、

『アッ!?来た!!』となった時に、ゆっくりと元の姿勢に戻し、

しばらくそぉ~っと休ませてあげると、

大きな痙攣を起こさずにやり過ごすことが出来るのです。

パニックを起こしそうになった筋紡錘をなだめてあげる

といったニュアンスです。

この時、攣れた筋肉を更に伸ばそうとすると、

痙攣を起こした筋肉がより強く縮みこもうとしてしまい、

立派な「寝違い」のでき上がりとなってしまうということです。

逆に、筋紡錘を「たわめて」あげると、この「緊急事態だ!筋肉を縮めろ!!!!」という悲鳴にも似た警報は静まります。

筋紡錘も(そこに付着している神経も)生き物ですから、

カッカと興奮している状態からお休みさせてすぐに落ち着くわけではありません。

しばらくの間(90秒ほどが目安)お休みさせてあげると

過敏になった筋紡錘の感度はおおむね正常に戻ってくれます。(「戻る事がある」といった方が正しいかもしれませんが…)

ここまで来た時に、そろりそろりと頭の位置を変えてあげれば「痙攣」を避けることが出来るのです。

 

さて、やっぱり長くなってしまいましたね。

でも、あともう少しお付き合いください。

 

この時期、駆け込んでいらっしゃるのはだいたい花粉症の

「なで肩の華奢なお嬢さん」か「背を丸め、顎を突き出した社長さん」です。

 

なぜこうした方に寝違いが多く起こるのか?考えてみましょう。

花粉症以外の共通項は何でしょうか?

それはデスクワークです。

 

さあ、ここまで来るとピンときたかたもいらっしゃるでしょう。

 

つまり私の考えはこうです。

 

スタート:普段からデスクワークが多く姿勢が崩れている。

→その無理な姿勢のせいで首筋は慢性的に疲労困憊している。

→年度末に向けデスクワークが増える。

→首筋の慢性疲労が悪化する。

花粉が飛び鼻をすすりくしゃみをする。(ここがミソです!!!)

→首筋の筋肉は呼吸の補助をしていますので、首筋の疲労が限界に達する。

→長く続けた姿勢から、次の姿勢に移る際に、疲労困憊した筋肉が引き延ばされる。

→「寝違え」る。

 

ね、繋がったでしょ!?

では、どうするのか?

花粉症はDrにご相談いただくとして、私が言えることと言えば

1、長時間同じ姿勢を取らない

30分に一度は席を立ってストレッチ!過労に追い込ず、溜まった疲れを後に残さない工夫をするということです。

 

2、不良姿勢を改善する

これは自分でもできます。

が…

説明するのも大変なので、後日動画にまとめて挙げますね。

しばしお待ちを!

 

3、睡眠時間を長めにとる

アレルギー反応は免疫細胞が過剰に反応している状況です。

寝不足や過労などで交感神経が敏感になっていると

一部の免疫細胞も反応が過敏になってしまいますので、

アレルギーによる症状は強くなります。

なので、しっかりと寝ましょう。

 

といったところです。

では、いつやるか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、ここは笑うところです。

 

 

そして、もう一つ。

4、プロに頼む

 ご来院、お待ち申し上げます。

 

 

 

では、いつ行きますか?

 

今でしょう!

 

とか言いつつ、

このところ予約が混んでいてなかなかすぐにお受けできないのが現状なのですが…

 

 

ああ、尻すぼみな記事になってしまった…

 


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