急に腿の外側に痺れが出たとご来院のAさん(70代太目男性)。
なんでも二週間前に座り仕事を数時間した後から足がしびれて歩くこともままならなくなったのだとか。
きっと大腿外側皮神経痛に違いないといいます。
(ちなみに、大腿外側皮神経は知覚神経なので運動麻痺は起こしません。歩行障害があったなら、何か別の問題があったということになります。)
しかし、そういうAさんの足取りはしっかりと地面を捉えていて院内の移動もじつにスムーズです。
見た限り歩行に問題はなさそうです。
脊柱の動きを見て若干の問題はあるも放散痛など神経の故障を疑わせる症状はありません。
足踏みやしゃがみ立ちの動作もしっかりしている。
皮膚の知覚を検査しても問題ないといいます。
件の症状に近い「偽物のシビレ症状」を起こす筋肉も調べましたがそれらしき問題は見つからず。
ひょっとして…
「いまは症状もだいぶ落ち着いてらっしゃいますか?(^_^;)」
と質問すると、
「今はしびれていない(-_-;)」
とAさん。
「でも、痺れた当初は大変だったんだよ(; ・`д・´)」
とおっしゃる。
症状はなくなったものの、また症状が出たらどうしよう?と不安でいたたまれなくなってご来院されたのでしょう。
でも、もう治ってしまったものは治しようもありません。
「安心してください。確認した限りでは神経にも筋肉にも問題はなさそうです。治っていると考えていいでしょう。」
と伝えるとちょっと不満そうなAさん。
「せっかくなので全体を整えましょう。それが終わったら再発予防の体操をご紹介します。」
ということで施術開始。
治療をしていて気が付いたのは、Aさんが履くズボンもパンツもAさんの体形に対してとてもタイトだということ。
このサイズが普段使いだとしたら、数時間の座り仕事の間に大腿外側皮神経の一過性の麻痺を起こしてもおかしくはないかもしれません。
施術を終えて、Aさんには「もう少しゆったりとしたズボンと下着を使うこと」をおススメし、下の二つの体操をお伝えしました。
骨盤を境に脊柱と股関節の筋バランスを正常化する効果を持つおススメの体操です。
脊柱管狭窄症やヘルニアなどの脊柱の故障のリハビリにはもってこいの方法で、かつ安全性も高い方法です。
腰下肢の故障予防に広くお役立ていただける方法なので、続けていただければ今回のような不意な故障にあう機会も減らしてくれることでしょう。
「寝る前に布団の中で2セットずつやってみてください」
とお伝えし、治療を終えました。
私の治療ではお馴染みの体操なのですが、
腰椎・股関節・膝関節に生じた変形性関節症のケアにも役立つ優れものですので、
もしよろしければみなさんもお試しになってみてください。
【腰・膝・股関節】故障予防と回復のための運動処方 No.1【ペルビックティルト】
【腰・膝・股関節】故障予防と回復のための運動処方 No.2【ヒップスラスト】
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