と~ま君の部屋

楽しい老後を送りたいとやっています。所詮人生回り道。修士(人間学、仏教学)。ぼけ防止・脳のリハビリでやってるブログです。

灘の伝説 名物教師橋本武先生のこと

2013年03月21日 09時33分27秒 | 大学院博士ごっこ2012年から2015年

 

「銀の匙」の授業は優れたノウハウ学力の養成になっている

 

 

 受験秀才というのは、コンテンツ学力に優れている。単調な暗記ものでも、計算でも、ひたすら勉強できるから学校秀才とか受験秀才というように言われることになるのである。それはそれで賞賛に値する。たいしたものであると正直愚生は思っている。

 で、今日は、天下の学校秀才校である灘で行われたことで有名になった同校伝説の名物国語教師橋本武先生の「銀の匙」のことを書きたくなった。

 知ってのとおり、三年間をかけて「銀の匙」をじっくり読み込むという授業である。中勘助作の実に薄い文庫本一冊である。200頁しかない。夏目漱石が、これほど美しい日本語はないと褒めた作品でもある。幼いひよわな子どもがたくましい青年に育っていく物語だから同年齢を重ねて育っている生徒には迫るものがあるだろうと思っているが。

 問題は、これ一冊しかやらないということであろう。現代では縛りがきついから、とうてい出来ない相談であろう。学力というのは受験のためにあると思っている狭量な人種からは、総スカンをくらうに違いない。そんなのニーズにないという論理で。ま、これもまた仕方のないことであろう。コンテンツ学力しか視野にないからである。

 2011年の週刊ポストに橋本先生の授業が紹介されている。土曜講座として、退職された橋本先生が灘の生徒達に希望者を募って公開授業を行ったのである。小学館の企画である。最初、講演になってしまうのではないかと小学館側は心配していたそうであるが、杞憂でしかなかった。

 教室に入ってすぐ黒板に「あそぶ」と板書された先生が、「『遊ぶと学ぶ』このふたつに共通するものはなんですか?」と聞かれた。

 は~いと言って手を挙げた生徒は、

 「遊ぶのは好きだけど、学ぶのは嫌いです」

と言ったのである。難関校の灘ですらそうなのである。嫌いな学ぶを毎日、毎日強制されているのでは哀れである。遊ぶ感覚で学べばいいと橋本先生はよく言われていたが、これは上からの押しつけではいけない。遊んでいるつもりが自然に学んでいることになっていけばいいし、そういう方向に持って行くのがプロの教師であるとも言われる。さすがである。 

 橋本先生さらに続けられる。

 「はい、ほかに気がついたことは」

 「<あそぶ>も<まなぶ>も、仮名で三字です。どちらにも<ぶ>がついています」

 「その通りだよ。このあたりまえのことに気がつく。これが大事なことなんだ」

 「じゃぁ<あそぶ><まなぶ>から<ぶ>を切り離したらどうなる?<あそ>と<ぶ>。<あそ>って何だ?」

 ここからが秀逸である。

 <あそ>からは、阿蘇山、天の橋立の内海も阿蘇。日本語っておもしろいね、同じ言葉が山の名前になったり、海の名前になったりする、と言われる。橋本先生の真骨頂である。

 さらに<まなぶ>である。<まな>って、何だ?<まな>は<ま>と<な>になる。<ま>は「真」という字を書いて、本物・上物ということ。じゃぁ、<な>は?・・・・ひとつは文字のこと、片仮名や平仮名のこと。あの仮名というのは仮の文字ということで、本物の文字は漢字であるというのがあって、だから漢字のことを「真名」という。それから<な>には、副食物という意味もある。菜っ葉の菜も同じ。

 <ぶ>はどうだろう。<ぶ>コレクションを考えてみよう。<あそぶ><まなぶ>は動詞です。ほかにも<ぶ>のつく動詞は多い。どれくらい知っているか書き出してみよう。

 

 以上、ちょっとだけ紹介させていただいたが、楽しい、楽しい。こういうことを、自分で調べて学習していったらあっというまに大学者になれるかもしれない。

 横道にそれているだけじゃないかという批判があるかもしれない。しかしである。こういうように、自分で調べながら学習していくというのが最高である。なぜなら、学ぶことの「ノウハウ」がマスターできるからである。「コンテンツ学習」と「ノウハウ学習」の対峙である。どっちがいいとか、いけないと言っているのではない。両方できればいいのである。

 実際、灘の生徒は、どっちも優れているから、あれだけの進学実績があるのである。たいしたもんである。

 そう思いません?

 愚生はどっちもそんな能力無いけどねぇ。毎度のことながら、コンテンツも、ノウハウも最初から無いから苦労しているんでしゅ~~。こんなこと書いているとしぼんじゃうな。絶対諦めないっていうのだけが取り柄なんだけど。

 

 (^_-)-☆

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                                                                                      

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3月20日(水)のつぶやき

2013年03月21日 05時18分11秒 | 大学院博士ごっこ2012年から2015年

ふうううううううううう@【柔道】園田監督との信頼関係「全部演技だった」(スポーツ報知) - goo ニュース news.goo.ne.jp/article/hochi/…


パワハラとか、アカハラって理由は柔道のようなことなんでしょうなぁ。ゴマすらないと、自分が逆に危ないっていう弱者の論理だ。やる方も、やられる方も。


完全にフリーでいられるっていうのはナイのかね。


無いのか。。。おぞましい世界ですよ。まったく。


今日は、祝日だけど、まぁいろいろ用事があって、ふらふら飛び回っておりました。つまらん用事ですが。13:19ですが、これからまた出かけます。そしてそれから塾です。一コマのみ。楽しいひとときを過ごしてまいります。


森浩一先生の「考古学と古代日本」(中央公論社)の部分コピーをしておりました、さっきまで。県立図書館から借りてきていたので。今週中に返さなくてはなりませんから。


しかし、良い本ですなぁ。欲しいけど、年金生活者にはとても買えないですから。諦めるしかない。


現役時代に、もっともっと専門の書籍を買っていれば良かったです。ほんとうに、そこの現役社会人のあなた「今でしょ?」です。(^-^)/


”70歳(古希)で一種の生き仏とみなされてから以降、人間から徐々に解放され始める。その際、老衰や物忘れがその過程の証拠とされ、人が神仏の世界に少しずつ再入していく印だとされた。” j.mp/uZAjF0 『水子 中絶をめぐる日本文化の底流』ラフルーア

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942 安らぎを心がける人は、眠りと、ものぐさと、塞ぎこむ心とに打ち勝て。怠惰を宿らせてはならぬ。高慢な態度をとるな(スッタニパータ)

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血圧の6項目から脳卒中の発症予測 国立がん研究センターなど trib.al/4LpejxB @zakdeskさんから

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手持ちのわずかな資料と、限られた情報検索、狭い範囲の読書からは、なかなか新説なんて導き出せませんなぁ。多くの論文を拝読していると、実に困難な歩みをしていると思ってしまいます。それでも、愚生は愚生なりにやっていくしかないんでしょうねぇ・・・とほほ。


3月23日から4月7日まで、海龍王寺にて『春季特別公開 十一面観音特別開帳』を催します。期間中、境内の雪柳と桜が見ごろを迎えますので、秘宝 秘仏と花とを鑑賞していただけます。法華寺様の十一面観音も特別公開されておりますし、佐保川や平城宮跡の桜も見ごろを迎えます。

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薬師寺僧侶、20日「声明の調べ」 金沢歌劇座 hokkoku.co.jp/subpage/OD2013… 「薬師寺声明の調べ」は20日午後1時から、金沢歌劇座で開かれる。1300年の歴史を持つ薬師寺の山田法胤管主を大導師に僧侶ら9人が仏教音楽の荘厳な世界を醸し出す。

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石高制の成立については、銭の品位が雑多になり、価値の統一性の高い米収取へ転換したという点は既に指摘されていたが、私はそれに対して、「いや米も枡が不統一じゃないか」と批判したことがある。今回の論考でその疑問はほぼ解消した。織田領国は枡を統一した地域から順に石高制へ転換したようだ。

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本多博之「織田政権期京都の貨幣流通―石高制と基準銭「びた」の成立」(『広島大学大学院文学研究科論集』72、2012年)。石高制成立の背景に関して興味深い指摘。この時代に関心のある方は一読をお薦めしたい。 ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00034343

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光こそ、すべての源という気がするのだが

柔道をやると~ま君

サンスクリット般若心経

高齢\(^_^)/