なぜ教育論争は不毛なのか―学力論争を超えて (中公新書ラクレ88) 新書 – 2003/5/10
「不毛」だと・・・・まるで拙ブログのことを言われているようで・・・・トホホ
教育についての議論がいつまでもある。
政治家もやる。教育についてナニかを言うと集票マシーンになるらしい。現政権もそうである。前政権もそうである。
そして、たいていは教育改革を標榜して、現場を混乱させて終わる。検証もなされないで、次の試みに突っ走っていく。
哀しい現実である。資源のない日本において、教育こそ国家の柱石であると私は思ってきたからだ。そうなっていないから憂いを持っているのである。
教育改革は、たいていが現場の教員のせいにされる。教員に実力が無いから進展しないっていう理屈である。
しかし、本当にそうか。疑ってみたほうがいい。
なぜなら、殆どの教育改革というのは、ワシのようなバカジジイでもよくわかるような検証の伴っていない試みでしかなかったと思わざるを得ないからである。
さらに、人的資源である現場の教員の責任にしていればそれで終わりというのではあまりにも寂しい。論理がめちゃくちゃではないか。なにも考えていないに等しい。
現場の教員というのは無試験で就職したのではない。選考をして入っているのである。それをなんと思っているのだろうか。
採用責任というのがどっかに吹き飛んでしまっている。
さらに、これだけ学力観というものがブレている国家も珍しいではないか。
はっきりとした概念規定がないまま、ここまで来てしまったのではないのか。
それに、憂慮しているのが「教育の大衆化」「教育の平等化」である。
本当にそうだったのか。
教育を大衆化して良かったのか。平等化してナニが変わったのであろうか。
都市部と地方の実態を無視して、学力観を語っていたのではないのか。
あるいは、保護者の側の経済格差を問題外にしておいて教育改革を語り過ぎたのではないのか。
あいもかわらず、平等化という仮面をかぶって子どもたちを不幸のどん底に陥れているのではないのか。
教育改革というのは、子どものそもそもの知的水準の差を考慮に入れていない。
大人の側にある社会の雇用システムの現状と比較して、語っていない。
☆
以上のような問題点をつらつら書いてみた。
長年ずっと考えてきたことである。
それに根本にタブーがある。それは保護者の側にある階級性である。経済格差と教育は密接につながっている。そのところは現役時代には語ることができなかったことだ。あたりまえである。全員が経済的に豊かであるとはとても言えないからだった。
それに、都会の一部富裕層のように中学校から私立に通学させることが、地方では事実上不可能であるからだ。富裕層というとまるで中国である。質のともなわないレベルでの。
都市部では、20%くらいの中学生が私立中学に通学しているらしい。
このdataも、非常に恐ろしい現実を語っている。逆から言えば、つまり地方の貧困である。
そういうことに目をつぶって、教育の改革を語ってはならないと思ってきたのである。私は。
刈谷剛彦のこの新書は、かなりユニークである。間違いない。私も、かなりユニークなブログを書くって先島諸島の方におられる大学の先生にTwitterで書かれたことがあるから、ユニークなのは折り紙付きである(^0^)。
つまり、苅谷は現代日本教育の改革論議が「不毛」と思い切って書いたのである。新書であるが、出版界の編集者と語り合った記録集だから、実にわかりやすくなっている。さらに本音も出ている。
ずっと以前から注目してきた東大の先生である。言わば、一流の学者である。時流に乗っていなかったから、ずいぶん酷いことばかり書かれてきた。抹殺されるのではなかろうかと心配していたこともある。
私も教育界の大先輩から刈谷剛彦の諸本を薦められてこれまで読んできた。
これでも教育でメシを食わしていただいたからである。さらに今もささやかなバイトをさせていただいている。だからそれなりに真剣である。しかも、今は教師教育もさせていただいている。
だから課題は永遠に続く。よって、勉強するしか無い。
それに、今、書いているスクールリーダーの論文にもこの教育改革は取り上げてみたいからである。まだその内容をここに書くわけにはいかないが。
刈谷剛彦の本は、昨日Amazonに発注した。三冊ほどである。さらに県立図書館にもメールで五冊借りたいということを申し込んだ。明日あたり来るだろう。
今、借りているアメリカの教育学者の本も、さっき部分コピーを完了した。新しい資料集ができてきつつある。
またまた新しいテーマが見つかった。
ありがたいものである。
問題意識と、実践。それに基づいて駄文を書く。それが隠された私の日常である。
楽しいからやっている。
そしてどっかで誰かの役に立つことがあれば、こんな幸せなことはない。
そういえば、昨日Wordの参考書(論文・レポート書き専用)がきたからぱらぱらと読んでいた。
やはりダメである。
縦書きが。
むむむ。
一太郎しかないか。
今日、買ってくるつもりだ。最新バージョンを。
これでもって専門学校のバイトをするしかないので。隠されたバイトである。内容は言えない。
わはははっはははっははっはははっはの「は」。
じゃぁねぇ~。
(^_^)ノ””””