平和の夕べコンサート 2011
2011年8月6日(土)
・武満 徹:3つの映画音楽~葬送の音楽(映画「黒い雨」より)
・モーツアルト:交響曲第40番ト短調K.550
・デュリュフレ:レクイエム
・指揮:山下 一史
・メゾ・ソプラノ:加納 悦子
・バリトン:福島 明也
・オーケストラ:広島交響楽団
・2011年8月5日、広島市中区「広島国際会議場フェニックスホール」。
武満の作品は、今村昌平監督の「黒い雨」のために書いた音楽ということです。
不協和音的な部分もあるのですが、尖ったところはあまりなく、静かに訴えるという感じの曲でした。弦楽5部の演奏でした。
プログラムによれば、モーツアルトは交響曲39、40、41の3曲を2ケ月足らずで書き上げたということです。そして39には「美麗」、40は「悲哀」、41は「荘大」を見事に結晶させた傑作とあります。
第1楽章の哀切なメロディを聴いていて、私はある哀しい母子の物語を思い出しました。
母親は、長女が6歳頃に離婚して、一人で子どもを育てる選択をしました。
夫が賭将棋で家庭を顧みなかったからです。当然生活は苦しいものでしたが、公的支援を受けることなく歯を食いしばって働きました。
それから約20年、長女が適齢になり結婚して母親の元を離れたのですが、離婚してしかも精神疾患を患い母親の元に帰ってきたのです。
長女の夫が不倫し、しかもその相手は長女が最も信頼していた親友だったのです。
長女の心情、その長女の心情を慮る母親の心情はいかばかりのものだったのか、私には想像力が欠如していて分かりません。
その後、この哀しい母子の物語がどのようになったのか、私は知りません。
私はこの曲では第3楽章が好きなのですが、その旋律は、辛いことや悲しいことがあれば、深く深く悲しむことで癒されますよ、と語りかけているように聞こえます。
デュリュフレのレクイエムは、ハープ、チェレスタ、オルガン、パーカッションも銅鑼が加わり、正にフルオーケストラで、混成4部にソロ2人も加わるという大編成です。
こんな大編成の音楽は、約10年前に聞いたマーラーの復活以来です。
レクイエム、鎮魂という意味ですが、私には、迫力のあるダイナミックな部分が良かったです。
特に合唱に底知れない表現力があるということを知りました。
会場は平和公園内にあるのですが、明日6日の平和祈念式典の予行演習をしていました。
中央の原爆ドームの左の建物は、商工会議所ビルです。建てる時眺望を害すという議論があったのですが、今ほど厳しい世論もなく、建てられたものです。何年か後には、移転するようです。
右の照明塔は近く取り壊されます。
ホールのある国際会議場では、原爆の日のために様々な展示が行われていました。
ホール入口は地下1階にあります。
丹下健三氏設計によるフェニックスホール。本日は幕で隠していますが、アリーナ形式の約1500席のホールです。
私が座った席です。
それにしても、本日の「閑散」は一体どうしたことなのでしょうか?
聴衆は400人程度だったでしょうか・・。
聴衆が少ないことを、何時か誰か言ってました。「おかげで良く響いた。」
行った人には良かったのかも・・。
2011年8月6日(土)
・武満 徹:3つの映画音楽~葬送の音楽(映画「黒い雨」より)
・モーツアルト:交響曲第40番ト短調K.550
・デュリュフレ:レクイエム
・指揮:山下 一史
・メゾ・ソプラノ:加納 悦子
・バリトン:福島 明也
・オーケストラ:広島交響楽団
・2011年8月5日、広島市中区「広島国際会議場フェニックスホール」。
武満の作品は、今村昌平監督の「黒い雨」のために書いた音楽ということです。
不協和音的な部分もあるのですが、尖ったところはあまりなく、静かに訴えるという感じの曲でした。弦楽5部の演奏でした。
プログラムによれば、モーツアルトは交響曲39、40、41の3曲を2ケ月足らずで書き上げたということです。そして39には「美麗」、40は「悲哀」、41は「荘大」を見事に結晶させた傑作とあります。
第1楽章の哀切なメロディを聴いていて、私はある哀しい母子の物語を思い出しました。
母親は、長女が6歳頃に離婚して、一人で子どもを育てる選択をしました。
夫が賭将棋で家庭を顧みなかったからです。当然生活は苦しいものでしたが、公的支援を受けることなく歯を食いしばって働きました。
それから約20年、長女が適齢になり結婚して母親の元を離れたのですが、離婚してしかも精神疾患を患い母親の元に帰ってきたのです。
長女の夫が不倫し、しかもその相手は長女が最も信頼していた親友だったのです。
長女の心情、その長女の心情を慮る母親の心情はいかばかりのものだったのか、私には想像力が欠如していて分かりません。
その後、この哀しい母子の物語がどのようになったのか、私は知りません。
私はこの曲では第3楽章が好きなのですが、その旋律は、辛いことや悲しいことがあれば、深く深く悲しむことで癒されますよ、と語りかけているように聞こえます。
デュリュフレのレクイエムは、ハープ、チェレスタ、オルガン、パーカッションも銅鑼が加わり、正にフルオーケストラで、混成4部にソロ2人も加わるという大編成です。
こんな大編成の音楽は、約10年前に聞いたマーラーの復活以来です。
レクイエム、鎮魂という意味ですが、私には、迫力のあるダイナミックな部分が良かったです。
特に合唱に底知れない表現力があるということを知りました。
会場は平和公園内にあるのですが、明日6日の平和祈念式典の予行演習をしていました。
中央の原爆ドームの左の建物は、商工会議所ビルです。建てる時眺望を害すという議論があったのですが、今ほど厳しい世論もなく、建てられたものです。何年か後には、移転するようです。
右の照明塔は近く取り壊されます。
ホールのある国際会議場では、原爆の日のために様々な展示が行われていました。
ホール入口は地下1階にあります。
丹下健三氏設計によるフェニックスホール。本日は幕で隠していますが、アリーナ形式の約1500席のホールです。
私が座った席です。
それにしても、本日の「閑散」は一体どうしたことなのでしょうか?
聴衆は400人程度だったでしょうか・・。
聴衆が少ないことを、何時か誰か言ってました。「おかげで良く響いた。」
行った人には良かったのかも・・。
指揮の山下氏は、お母様が被爆されたそうです。お母様はたしか今でもお元気なはずですが、当時抜け落ちた髪の毛が原爆資料館に展示されているとのことでした。
それにしてもデュルフレとは何とも素敵な選曲ですが、不入りとは残念でした。
山下氏のお母様の話は知りませんでした。
山下氏は、9月に広島で「ラ。ボエーム」を振ります。本格的なオペラを聴くのは久しぶりですので、楽しみです。
焼きそうせいじさんのブログを拝見しました。タイに関するブログなんですね。時々訪問させてください。
上のリンク先は、原爆資料館にある山下氏のお母様の被爆についての展示です。
山下氏と同郷、同窓でベルリンでも一緒だったオーボエ奏者の上田愛彦氏(熊本の音大の先生)も、広島に強い愛着を持って仕事されています。終戦記念日に原爆資料館で演奏するとのことです。平日の昼なのでお勤めの方は無理ですが、もしお時間があればお聴きになってみてください。
貴重な情報の提供ありがとうございます。
山下さんのお母様の髪の毛を見て、ナチスの人間の髪の毛で作った布切れを思い出しました。(何の因果関係もないのですが、共通するのは「悲惨さ」です。)
15日は、孫が帰ってきており、孫と行動を共にするため、聴きに行くことができないのが、残念です。
また、よろしくお願いします。