人生って「言い訳」の積み重ねなんじゃないの。
「なぜ人を殺してはいけないのですか?」と中学生に質問されて、答えられなかった評論家がいたというオバカな話が前にあった。
「うっせ、がきはだまって勉強しろ!」が正解なのだと自分的には思う。
「なぜ生きなければならないのか」は上記の問以上に難しいかもしれない。
理由はいらない。理由はいらないんだけど、人はあれこれ言いたがる生き物であり、むしろその性質ゆえに人であるとも言えるので、あれこれ考えてしまうのだ。
無理矢理考え出した理由を「言い訳」という。
人は「言い訳」を積み重ねながら生きる。それが人生の本質だ。
としたら、別にかっこつけなくていいし、筋が通ってなくてもいいし、人にとやかく言われないように気をつける必要もない … 。
こんなふうに哲学的になってしまうほど、ずしっときた。
そして作品として、これほど傷のない映画は今まで観たことがない。
西川監督の師匠の是枝監督の、日本映画史に残る「海街diary」にしても、ここはどうだろうと思える箇所があった(当社比)。
「永い言い訳」は風景の描写からストーリーの構成にいたるまで、一つとして破綻がない。それでいてオリジナリティーにもあふれているという神がかり的作品だ。
素人がこんなに言葉をつくしても引かれるだけか。
本木さんがかっこいい。シブがき隊時代などとは比べもののにならないくらい。やっぱり年とっても大丈夫だ。ふふっ。
是枝組らしく、子役のお芝居がまたすごい。
今年、これを観ないのは損ではないでしょうか。