水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

永い言い訳

2016年10月16日 | 演奏会・映画など

 

 人生って「言い訳」の積み重ねなんじゃないの。
「なぜ人を殺してはいけないのですか?」と中学生に質問されて、答えられなかった評論家がいたというオバカな話が前にあった。
「うっせ、がきはだまって勉強しろ!」が正解なのだと自分的には思う。
「なぜ生きなければならないのか」は上記の問以上に難しいかもしれない。
 理由はいらない。理由はいらないんだけど、人はあれこれ言いたがる生き物であり、むしろその性質ゆえに人であるとも言えるので、あれこれ考えてしまうのだ。
 無理矢理考え出した理由を「言い訳」という。
 人は「言い訳」を積み重ねながら生きる。それが人生の本質だ。
 としたら、別にかっこつけなくていいし、筋が通ってなくてもいいし、人にとやかく言われないように気をつける必要もない … 。
 
 こんなふうに哲学的になってしまうほど、ずしっときた。
 そして作品として、これほど傷のない映画は今まで観たことがない。
 西川監督の師匠の是枝監督の、日本映画史に残る「海街diary」にしても、ここはどうだろうと思える箇所があった(当社比)。
 「永い言い訳」は風景の描写からストーリーの構成にいたるまで、一つとして破綻がない。それでいてオリジナリティーにもあふれているという神がかり的作品だ。
 素人がこんなに言葉をつくしても引かれるだけか。
 本木さんがかっこいい。シブがき隊時代などとは比べもののにならないくらい。やっぱり年とっても大丈夫だ。ふふっ。
 是枝組らしく、子役のお芝居がまたすごい。
 今年、これを観ないのは損ではないでしょうか。

コメント
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