水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

カメラを止めるな!を見た

2018年08月23日 | 演奏会・映画など

 いやあ、楽しかった!
 話題になるだけのことはある。まもなく南古谷でも上映されることになったようだが、まちきれずイオン板橋に行ってみたら、驚くほどたくさんのお客さん。
 映画の後半になると、みんなが楽しんでいるのが伝わってくる幸せな空間。昔の映画館(昔っていつ?)てこんな感じだったんじゃないかと思う。
 まずはB級のゾンビ映画が登場する。ゾンビ映画を撮影しているという体で、ほんとうにゾンビが現れるという趣向は、ありがちな設定で、役者さんの芝居や、だんどりの悪さが、さらにB級感を高め、逆に作り物としてのリアルさがうきあがってくる。なるほどね、低予算で少し目先のかわったゾンビ映画つくる感じってこんなものかなと思いながら、前半を終える。
 後半、観客に、あらたな視点が与えられる。なるほど、そういう事情だったのか。前半の一つ一つの場面が二重の意味をもって思い出される。
 さらに、それを撮っている本作品の監督さんやカメラさんがいることにエンドロールで気づくと、何層にも重ねられたメタ視点が意識され、一瞬にして無数の物語が立ち上がってくる。
 B級を楽しもうとしていた身体が、映画愛に満ちあふれた至上の作品を味わっているからだに変わっていた。
 ほんとうに描こうとしているのは、ものを創作することへの思いや、家族への愛であることに気づくと、笑いだけでなく、こみあげてくるものがあった。話題になるだけのことはあるし、奇跡的な一本といってもいい。

コメント
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