水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

具体化

2019年11月08日 | 学年だよりなど
2学年だより「具体化」


 この時期、三年生の「志望理由書」や「自己推薦書」を添削する機会がある。
 一般公募推薦やAO入試で求められるそれらの文書は、かなり質の高いものが求められる。
 二、三回直して、気持ちが十分に伝わるものを書き上げられる人と、なかなか形にならない人とに分かれる。何が違うのか。
 漠然と「この大学に受かればいいな」程度の思いで書いていると、なかなか完成しない。
 文章自体の技術はそれほどでなくても、こんな勉強をしたいという思いが強い場合は、日本語的助言をすると見違えるものに生まれ変わる。
 大学で何をやりたいかについて、具体的なイメージがどれくらいあるかの差だ。
 なかなか形にならない人には、いったんその文章を書くことを中断して、以下の項目を記入してもらう。みなさんは、近い将来、全員に書いてもらう予定だ。


1 あなたが志望する学部・学科はどんなことを研究するところですか。
2 その学部・学科で扱うテーマに関連して、今、世界や日本で、どのような問題が起きていますか。
3 上で答えた問題の背景・原因には、どのような事情があると言われていますか。
4 志望する学部・学科の内容に関して、これまでにどんな本をこれまで読みましたか(または読む予定ですか)。これまでにどんな経験をしましたか(する予定ですか)。
5 あなたが、その学部・学科で、研究したいことを、具体的に、人にわかるように説明してください。
6 あなたは将来、どんな職業につき、どんな仕事をしたいと考えていますか。
7 そういう職業につきたいと思い始めたのはいつごろですか。またそのきっかけは何ですか。
8 そのような自分の目標を実現するために、高校時代にどのようなことをしてきましたか。
9 あなたは、性格面でどのようないい点をもっていますか。どういう点がアピールできますか。
10 それを具体的に表すエピソードを書いてください。
11 あなたが志望する大学の教育理念はどういうものですか。
12 あなたが志望する大学の学部・学科に所属する大学の先生を誰か知っていますか。そして、その先生はどんな研究をしていますか。
13 あなたが志望する大学の特徴はなんですか。他大学とはどの点が違うと思っていますか。
14 あなたがその大学を志望する最も大きな理由はなんですか。
15 入学後、どんな学生生活を送りたいと考えていますか。


 推薦入試にかぎらない。成功した先輩と、思うように結果が出なかった先輩との差は、気持ちの持ちようにあった。
 たんに大学に合格したいのではなく、大学生になりたい、大学でこのような勉強をしたいという気持ちの強い子、具体的に思い描ける生徒は伸びる。
 逆に、大学に受かることだけを目標にしていると、最後の段階で伸ばしきれない。
コメント
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