水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

ROLAND

2022年02月22日 | 学年だよりなど
1学年だより「ROLAND」


 ローランド、1992年八王子生まれ、本名松尾風雅。帝京大学理工学部中退後、ホストになる。ホストの仕事をよく理解している人は少ないだろうが、その独特の存在は、みなさんも知っているのではないだろうか。現在「ホスト界の帝王」と呼ばれ、タレント、実業家として幅広く活躍する。
 そんなローランド氏にも下積み時代はあった。西新宿の6万円のワンルームアパートに暮らし、自転車で歌舞伎町に通っていた日々は、つらい時代だったという。


~ 自分で認めるのは恥ずかしいが、俺はとても調子に乗りやすい人間だ。
 もし自分に少しでもホストの才能があり、初めからトントン拍子に売れていたとしたら、きっと「運転手付きの調子」にでも乗りながら、勢いで適当に仕事をし、無駄なプライドが芽生えてミスを認められず、今頃消えていただろう。
 なかなか結果が出なかったからこそ、「どうやったら売れるのだろう?」と徹底的に仕事に向き合えた。
 女心を読み解く力や、トークスキル、洞察力などを磨くために、徹底的に研究し努力できた。
 自分に才能がないと知っていたから、無駄なプライドが芽生えることなく、何か失敗をしたときは、まず自分が変わらないといけないのだと理解することができた。
 自分だけが売れ残る中、センスのある同期や後輩達に次々と抜かれていったあの時期は、当時の俺にとって、つらく苦しいものだったが、あの時に培ったものが、今の自分を支える基盤となってくれている。あの苦悩の時期がなかったら、今の俺はなかった。そう断言できる。 (ROLAND『君か、君以外か。』KADOKAWA) ~


 オリンピックで活躍する選手達をみながら、この人たちはなんと素晴らしい才能の持ち主ばかりなんだろうと、私たちは感じる。
 同じ競技をやっている人なら、なおさらそんなことを思うかもしれない。
 「ああ自分にも、○○さんと同じだけの才能があったなら……」
 しかし、才能の量は、どうやったら測れるだろう。
 たとえば高梨沙羅さんが跳んだ103メートルのうち、何メートル分が才能で、何メートル分が努力なのか。高木美帆さんのタイムの何%分が才能によるものなのか。
 メダルをとった選手に、「あなたはとんでもない才能をお持ちですね」と問いかけたとき、多くの選手は「才能なんて私にはありません」と答える。
 「練習はたくさんしました」ぐらいは言ってくれるだろう。
 そして、みんなが付け加える。「自分だけの力ではここまでこられませんでした」と。
 ローランド氏の「自分に才能などない」という言葉を聞くと、「そんなことはない」とわれわれは思ってしまうけれど、本人のなかでは、嘘偽りなく「ない」のだと思う。
 だから、頑張った。頑張ったおかげで、結果がついてきた。
 そして「自分に才能がなくて本当によかった」と感謝する。

コメント
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