水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

インプット→アウトプット

2022年09月14日 | 学年だよりなど
2学年だより「インプット→アウトプット」




 自分では勉強しているつもりで、実際にけっこうな時間をかけていて、それでいて思ったほど成績が伸びない場合はある。その原因は何か。
 あまりにも普通の答えだが、「量の不足」と「やり方の間違い」だ。
 勉強の成果は、「量×方法×気持ち」と考えると、わかりやすい。
 まず「量」が足りない人は、根本的にどうにもならない(これに該当する人が一番多いのも、事実だ)。
 ある程度の量をこなさないと、勉強の質は上がらない。
 どんなに素晴らしい勉強法を知っていても、そのやり方でやっている時間が短かったら、身につかないからだ。
 「量」が足りていてると仮定したうえでの「やり方」の問題として、「勉強のメタ化ができているかどうか」がある。
 聞き慣れない言葉かもしれないが、「メタ」とは、「超えている~」「一段上の~」を意味する。
 メタ認知、メタ言語、メタフィクション、メタファー、メタメッセージ……など、基本的に名詞を修飾し、「その名詞を超えたなんとか」の意味になる。
 今はやりの「メタバース」も、メタ(超)とユニバース(宇宙)とを組み合わせた言葉だ。
 「勉強のメタ化」とは、いま自分が何をやってるかが客観的にわかっていることを言う。
 「メタ自分になる」と言うべきかもしれない。
 難しいことではない。たとえば筋トレ。腕を太くしようとしてアームカールをする。
 上腕二頭筋を見ながら、自分はここを鍛えている、ここに効いてる! と思いながら腕を曲げればいい。漠然とやっているのと、効果がまったく変わる。
 たとえば食事。「この素材でできたこの料理、おいしいなあ」と思いながら食べると、栄養となり、幸福感も味わえる。スマホやテレビを見ながらだらだら食べていると、カロリーだけの摂取になるばかりか、食べ過ぎる。
 大体みなさんは部活で、「いま何の練習してるのか考えながらやれ!」ときびしく言われているではないか。
 ひとつひとつの練習の意味を理解し、反省し、改善するといったプロセスなしに、成長するアスリートはいない。
 部活でノートを書くのは、言葉にしにくいものを、なんとか言葉化していく作業によって、メタの視点を手に入れるためだ。
 勉強も同じだ。
 自分がいま何をやっているのか、いましている作業は何のためかを意識しないといけない。
 英単語を覚えている時に、「今自分は情報をインプットしている」という意識をもつ。
 数学の問題を解いている時に、「今自分は知識をアウトプットしている」という意識をもつ。
 なんとなく単語集を見ているだけの時間は、「ながら食べ」と同じで栄養になっていかない。

コメント
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