水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

得手不得手(3)

2023年02月06日 | 学年だよりなど
2学年だより「得手不得手(3)」




 №56、№57で、人には得手不得手があると書いた。その続き。
 たとえば、スキーが苦手、寒いところが嫌い、集団生活が苦手……と考える人もいるだろう。
 誰もが、すべてのことに、同じくらいの興味と、同じくらいの積極性で取り組めるということはない。勉強で言えば、漢字を5回書いて覚える人もいれば、10書いても覚えられない人もいる。
 計算は速いけど、暗記物は苦手といった差はあるのが普通で、だからこそ人それぞれで最も適切な勉強法は変わってくる。
 人には得手不得手が当然ある。それは不得手だからマイナスというものではない。
 どれくらい不得手なのか、人と比べて場合にはどうか。少しやれば追いつけるのか、そもそも避けた方が自分のためなのか、それを見極めるには、とりあえず経験してみるしかない。
 スキーをやりたいなどと思ったことがなくても、初めてやってみてハマるかもしれない。
 いまプロスポーツで活躍している人も、幼いころたまたまその競技に出会っただけだ。
 大谷翔平選手が、埼玉県の君の家に生まれていたら、まったく違う人生になっていただろう。
 子どものころ全く苦手だったことが、何十年も経て気がつくと、好きになっていたり、得意になっていたりする例はいくらでもある。
 体質や体型も、中学校、高校時代と大人になってからとは全く異なる人も多い。
 アレルギーがひどい、体が弱いと言われる幼少期を過ごしていながら、大学生くらいから突然丈夫になりアスリートとして活躍する人もいる。
 前にも書いたが、そもそも人間のからだは分子レベルで言えばものすごいスピードで入れ替わり続けている。
 脳も、みなさんたちはまだまだ成長する。20代後半までは。
 現時点での得手不得手は、いかようにも変わりうるのだ。
 いまの時点での「やりたいこと探し」に、そこまでこだわる必要がないのも、この理由からだ。
 明日からの修学旅行で、突然スキーに目覚め数年後オリンピックに出る人がいるかもしれない。
 体調面で参加が叶わなかった人も、この期間に何か大きな目覚めがあるかもしれない。
 人は、何かのタイミングで「すっと」変わりうる。
 もちろん、そのタイミングが現れるまでの期間に、水瓶に水が少しずつたまるように変化はしていたのだ。
 うれしいこと、楽しいこと、悲しいこと、つらいこと、いろいろな経験、様々な思いが少しずつからだにたまっていき、ある日ふとそれがあふれる。
 溢れ出るまで、どれくらいたまっているのかを見ることができないのが、もどかしい。
 しかし、生きていれば、溜まり続けている。
 目に見えないので辛くなるとき、投げ出したくなる日もある。それはしかたがないが、思うようにいかないときは、数秒だけおちこんで、「さあ、つぎ行こう」と立ち上がればいい。


 ラグビー部のみなさん、優勝おめでとうございます!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする