水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

成瀬力(3)

2023年05月25日 | 学年だよりなど
学年だより「成瀬力(3)」




 ~ 学級づくりとは〈フィールドワーク〉なのです。(by堀裕嗣)~


 「学級づくり」を自分の何かにあてはめてみてほしい。
 部活、勉強、学校行事、ボランティア活動、友人との関係、恋愛関係……。
 どれも、人によってやり方は違っていい。どんなふうに取り組むのかは、各人にまかされている。
 他人と同じように取り組んでも、得られる結果は人によって異なる。
 全てのことは、成功とか失敗はなく、実験とその結果という感覚でとらえられる。
 それを人生という現場で実際にあれこれ試すことができるのだから、まさにフィールドワークだ。
 この先の人生での、就職活動も、仕事そのものも、恋愛、結婚、子育てといったことも、そこには成功も失敗もない。自分で好きに試せるのが人生だ。
 「学級作りはフィールドワーク」と述べた堀裕嗣氏は、札幌の中学校で国語を教えている。
 友人でもあり、昔国語のことや教員のことを話したものだが、学校現場にしっかり足元を築きながら、新しい理論をどんどん取り入れる教育活動を躊躇なく行っていた。
 人生は自分のフィールドワークだ思いついたのは、堀氏の本を読みながら、彼のそんな姿を思い浮かべたからだ。




~ 僕が失敗して落ち込んでいる若者によくかける言葉があります。
「失敗する人と失敗しない人の違いってわかる?」
「なんですか?」
「失敗する人は、この方法は成功すると思って臨む。だからうまくいかないと落ち込むことになる。でも、失敗しない人は、この方法は実験だと思って臨む。実験には成功も失敗もない。ただ結果があるだけだ。うまくいくという結果、うまくいかないという結果、どちらが出ても一喜一憂したりしない。その結果を踏まえて次を考えるだけだ。失敗しない人ってのは、成功する人のことではなく、失敗を失敗だと感じない人のことなんだ」
 この言葉をいったいどれだけの若者に投げかけたでしょうか。そして自分自身に対しても、「いまのお前はどうだ?」と何度問いかけたか知れません。 (堀裕嗣・宇野弘恵『教職の愉しみ方 授業の愉しみ方』明治図書)~




 xという結果を求めてaを行ってみたら、yという結果になったという経験は、失敗ではない。
 xという輝かしい結果を期待したものの、はしにも棒にもかからない結果になることも、チャレンジにはつきものだ。
 それにより、自分の「分」を知る、「分」に気づくということにもなる。
 「無限の可能性」などと言われるより、よほど人生戦略を立てやすいではないか。

コメント
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