水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

相手を知る

2023年05月30日 | 学年だよりなど
3学年だより「相手を知る」




 この週末は関東大会、そしてその後すぐにインターハイ予選と、高校の部活動の集大成を迎える人が多い。
 どういう相手と対戦するかがはっきりしている場合は、それに対する準備もしていることだろう。
 個人競技でも、最後の段階でどこまで自分の力を伸ばせるかは、知性が決める。
 試合をする相手が、どんな戦略で自分たちとの戦いに臨んでくるか――。
 それを知っているのとそうでないのとでは、準備の仕方は全く異なる。
 自分の能力から考えて明らかに強大な相手に対して、丸腰で向かっていくことを、誰も潔いとは言ってくれない。
 勉強も同じだ。過去問を知らないといけないのは、力試しや実力アップが目的ではなく、相手を知ることにある。「力をつけよう」というような漠然とした目標を立てる時期は終わっている。




~ 大学入試を例にとってみると、学校別の過去問題集、いわゆる「赤本」と呼ばれる問題集があります。赤本を最初のぺージからめくっていくと、「傾向と対策」という解説のページが添えられています。そこには、「この大学はこういうことに関心があるので、それに対応した準備が必要です」ときちんと書いてあるのです。
 ところが、高校生の多くはそのページをなぜか素通りしてしまいます。過去問の1問目からすぐに解こうとするのです。
 実はあの解説にこそ、試験を突破するための重要な手がかりが記されています。なぜかというと、予備校の英語主任のような立場にある先生が、過去問を20年くらい研究した上で、解説を書いているからです。
 だから問題の傾向を外しようがないのです。まさに試験官が要求しているポイントを、受験のプロの先生が書いてくれているのですから、ここを読まない手はありません。
 最初からむやみやたらに問題に取りかからない。これは試験勉強の際の鉄則です。まず、自分がどういう位置にいて、何を要求されているのかを冷静に考えること。 (鎌田浩毅『一生モノの勉強法』ちくま文庫)~




 みなさんが目標にする大学は、今の力からすればとんでもなく強大な相手に見える。
 ただし、相手は手の内を完全にさらしている。こんな問題を出す予定なので勉強してきてね、というメッセージを細かく発信してくれているのだから。
 つまりそれは、はやく飛び込んできてほしいというメッセージなのだ。
 「傾向と対策」を読んだら、何がどのように出るのかを、自分で紙に書きだしてみる。
 習った内容かどうか、どれくらいわかっているかどうか、チェックする。
 そして問題を読む。もしくは少し解いてみる。
 いつごろまでに、何をどれくらいやるべきかが見えてくるから、それをメモしていく。
 まずは、この基本作業にとりかかっておこう。

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