水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

アスリート(3)

2023年06月10日 | 学年だよりなど
3学年だより「アスリート(3)」




 同じ練習の繰り返しは、たしかに楽しくはない。とくに基本練習は。
 楽しくなさの原因の一つに、上達が目に見えないことがあるだろう。
 ならば、いきなりゲームをやって時に「おっ」と思えるようなプレーができるなら、それで十分な感じもしてしまう。何よりおもしろい。
 ひたすらゲーム形式で練習して、そこそこ強くなるチームもたしかにある。
 しかし、最後の段階で勝負を決めるのは、基本がどれくらい定着しているかだ。
 勉強で言えば、問題をどれくらいたくさん解いてきたか、語彙の蓄積がどのくらいあるか。
 予備校の有名な先生の授業をどれくらい受けたかではない。
 ネット上で有名な先生の講義が簡単に受けられる時代になり、受験勉強のあり方は大きく変わると予想していた人がいた。個人的にはそんなふうにはならないだろうと思っていた。
 自分でYouTubeをみて独学でどんどん進める高校生がそんなにいるとは思えなかったからだ。
 そうやってやれる子は、ネットに関係なくやっている(いた)。
 現状は予想通り、というかそれ以上(以下?)かもしれない。
 地道な基本の積み重ねは、ある段階までくると急にワンランクアップをもたらす。
 そこまで我慢できるかどうか、精神面の強さがどの程度あるかで、何事も決まるのだろう。




~ ボクシングで主要4団体統一王者となった井上尚弥選手は、ひたすら基本練習に時間を当てています。
 基本を身に付けているかどうかの分かれ目は、地道な反復練習の基本練習を続けるメンタル力があるかどうかです。
 地道な反復練習をするメンタル力がある選手が、まだまだ伸びていけます。
 基本を飛ばしている選手は、結果を焦るので、「基本はいいから、テクニックを教えてください」と言います。
 これが、行き詰まる限界なのです。
 地道な反復練習をすることで、メンタルカが鍛えられていきます。(中谷彰宏「メンタルで勝つ方法」ボウリングマガジン)~




 そもそも人生とは平凡な毎日の繰り返しだ。
 ドラマや映画に出てくるようなキラキラした青春像など、基本的にはない。
 朝起きて、学校に来て、勉強して、部活して、帰って、勉強して、寝る。
 起きて、顔洗って、ご飯食べて、いつもの電車に乗って……。
 あいさつをして、ちゃんとした服装で授業を受けて、片付けをして……という毎日の積み重ね、それが人生の基本練習だ。
 メンタルを鍛えるのにも特別な方法は要らない。地道な日々の繰り返しだ。

コメント
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