水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

カイロス時間(2)

2023年06月26日 | 学年だよりなど
3学年だより「カイロス時間(2)」


 カイロス時間を生きる人をカイロス人と、中谷彰宏氏はよぶ。




~ カイロス人は、夢中になれる。
  カイロス人は、仲間と一緒に楽しむことができる。
  カイロス人は、自分の答えを求める。そのために深掘りする。
  クロノス人は、問いをもらう。カイロス人は、問いを自分で見つける。~




 土曜に合格体験談を語ってくれた先輩達は、まさにクロノス人だったようだ。
 時間は限られている。まぎれもない事実だ。
 やりたいことをやりきるには困難が伴う。それもあたりまえだ。
 困難が伴うことだから、「目標」になる。
 片手間に取り組んでたやすく達成できることは「目標」と言わない。
 他の学校の先生から、みなさんのことを「すごいですね」と言われることがある。
 「川東の生徒さんは、ほんとに夏まで部活やってて、大学も受かるんですね」と。
 「冬までやってる子もいますよ、大変そうだけどうらやましく思ったりもします……」
 当事者の感覚はどうだろう。もちろん、忙しいにちがいない。
 やることは幾らでもある。やってもやってもきりがない。
 じゃ、何かを捨てられるかというと、そういうわけにもいかない。
 「勉強+部活」だけではない忙しさを抱える人もいるだろう。
 趣味に費やす時間をどうしても削りたくない人もいるだろうし、習い事、読書、アニメ、映画……、ボランティア、地域の活動に関わる人もいる。家庭の事情もあるかもしれない。
 受験勉強の大切さを理解してはいるが、だからといってそれ以外のことを捨てられない。
 それらは自分が自分であるために必要な事柄だからだ。
 忙しさとは、自分が自分であるために欠かせないことがらの積み重なりだ。
 焦る必要はない。たんたんとこなしていけばいい。たんたんとこなしていくしかない。
 そして、みなさんがやろうとしていることは、決して「前人未踏」ではない。
 たくさんの先輩がチャレンジし、乗り越えてきたことだ。みなさんにできないはずがない。
 世の中を見渡せば、暇そうにしている人はたくさんいる。
 ウニクスのフードコートに行くと、だらだらとゲームをしてる若者たちもいれば、座るやいなや問題集を取り出す子もいる。
 どちらかが幸せ、という問題ではない。
 あくまでも当人の選択だ。
 ただ、一心不乱に勉強する姿は、ただクロノス時間を消化しているのではなく、カイロス時間の中にいるように見える。

コメント
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