水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「こころ」の授業(1)

2019年10月04日 | 国語のお勉強(小説)
〈 物語の設定 〉

『こころ』
 上 先生と私  中 両親と私  下 先生の遺書

 下「先生の遺書」(私への手紙)の一部分

 「遺書」というフォーマットで綴られる物語 
  枠組み小説の一つ  例:少年の日の思い出・タイタニック

 登場人物
  私(先生)
  K
  奥さん 未亡人
  お嬢さん 静
(推定年齢 私・K:22~23歳 お嬢さん:16~17歳)

 書き手:先生(私) → 読み手:青年(私)
   ∥
 一人称視点……すべて「私(先生)」の視点であることが前提


一段落

 〈 Kはいつもに似合わない話を始めました 〉。奥さんとお嬢さんは市ヶ谷のどこへ行ったのだろうと言うのです。私はおおかた叔母さんのところだろうと答えました。Kはその叔母さんはなんだとまたききます。私はやはり軍人の細君だと教えてやりました。すると女の年始はたいてい十五日過ぎだのに、なぜそんなに早く出かけたのだろうと質問するのです。私はなぜだか知らないと挨拶するよりほかにしかたがありませんでした。

 細君……奥さん
 挨拶する……受け答えする

「Kはいつもに似合わない話を始めました」について

Q1「いつもに似合わない話」とは何の話か。
A1 奥さんとお嬢さんの話

Q2 それはどういう話か。
A2 世俗の話、日常の話

Q3 なぜ「似合わない」と思ったのか。(30字以内)
A3 Kは、普段から学問以外には興味がないような男だったから。

Q4 私にとってKとはどのような存在か。省略されたあらすじ部分をもとに説明せよ。
A4 学問の道のために日々精進している男であり、学問上での劣等感を覚えるとともに、
   お嬢さんとの関係において嫉妬心を持ち始めている。

 私 故郷との縁を絶って上京・帝国大学に学ぶ
   軍人の遺族の家に間借り
   「お嬢さん」に惹かれ、結婚を考える
    ↑
    ↓
 K 養家を欺いて哲学を志し勘当される
   「私」のすすめで同居
   「精神的に向上心がない者はばかだ」
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