折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

春の日の想い、ひとつ

2006年03月23日 22時51分05秒 | 春分
  
雨も上がって、草花がたいへんみずみずしく思えた朝でした。
いつものことですが、思いもよらない所から可憐な花が顔をのぞかせてました。
私は、アイビーの雑木林と呼んでいるのですが、それをかきわけ、これもシラーかな?



少し手前から撮ったら、こんな感じです。



電柱の写真? 違う、違う、春の雨の余韻。



私の心・・・・。
これから新しい春に向かおうとする心の中を、
思いがけず、ほんの一瞬だけ、吹き渡っていった爽やかな風の余韻。



このチューリップ、早く咲いて欲しい。
去年も真っ先に咲いたけど、いまの私のささやかな願い・・・・早く。


       ~ そしてこれは、ある春の日、あるひとの想い出に ~

 
  (una poesia di oggi)

     月夜の浜辺                  中原中也

   月夜の晩に、ボタンが一つ
   波打際に、落ちてゐた。

   それを拾つて、役立てようと
   僕は思つたわけでもないが
   なぜだかそれを捨てるに忍びず
   僕はそれを、袂に入れた。

   月夜の晩に、ボタンが一つ
   波打際に、落ちてゐた。

   それを拾つて、役立てようと
   僕は思つたわけでもないが
      月に向つてそれは抛れず
      波に向つてそれは抛れず
   僕はそれを、袂に入れた。

   月夜の晩に、拾つたボタンは
   指先に沁み、心に沁みた。

   月夜の晩に、拾つたボタンは
   どうしてそれが、捨てられようか?
                              「在りし日の歌」

  ※ 24日からブログ更新はしばらくお休みです。すぐに帰ってきます。


コメント (20)
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