折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

古典文学と私 その一

2007年09月20日 00時30分05秒 | 白露
             □ ヘリテージ(ER) また、いつの間にか咲いてました。

◇ これは以前にも一部書いたことがあるかもしれません。
  高校生の頃、私の弱点は、福笑いにも笑われそうな顔の配置と、
  脚の短さと、成長著しい座高。
  それに内気で女子の前で赤くなること…。
  つまり、もじ門司してて、いつまでも下関に渡れないこと!?
       (本人も意味不明ですから、お気になさらずに)

      
            □ やっと地植えした、桔梗に竜胆

◇ そしてお勉強でいうと、私にとっては、英語なんかより
  古典・漢文がかなり難しいということでした。
  本当に、コテンパンに、ちんぷんカンプンでした。
  古文の先生は誰でしたか…。
  大政、小政に、森の石松は、清水の次郎長の子分だし…果て?

          

◇ 確か、堂本高一?のときの夏休みには(メキシコでオリンピックの年)、
  一番暑い最中(美味しい「もなか」を食べたいなあ!?)に、
  徒然草の全文を補習でやらされて…。
  でもここから二学期の実力テストの問題が出るというので、
  汗をかきかき、夏季?食へば鐘が鳴るなり法隆寺で、
  それでも補習中はよくコテンと寝てた記憶があります。
  みんなが寝るのに合わせたんですが…。
  友達だから、抜け駆けはダメとバイ!

            
        □ このカバーの絵、ツレヅレグサ? まさか??

  

      九月二十日の比
      ある人にさそはれたてまつりて
      明くるまで月見ありく事侍りしに
      おぼしいづる所ありて
      案内させて入り給ひぬ。

      荒れたる庭の露げしきに
      わざとならぬ匂ひ
      しめやかにうち薫りて
      しのびたるけはひ
      いとものあはれなり。
 
      よきほどにて出で給ひぬれど
      なほ事ざまの優におぼえて
      物のかくれよりしばし見ゐたるに
      妻戸を今少しおしあけて
      月見るけしきなり。

      やがてかけこもらましかば
      くちをしからまし。

      跡まで見る人ありとは
      いかでか知らん。

      かやうの事は
      ただ朝夕の心づかひによるべし。

      その人、ほどなく失せにけりと聞き侍りし。 

       (徒然草第三十二段 「九月二十日の比」 ながつきはつかのころ)

          

  [現代文拙訳]

      旧暦九月二十日の頃(今年なら10月30日)に
      私はある方にお誘いをいただいて
      夜が明けるまで月見をして歩いたことがありました。

      (こういう人はジョン・レノンといいます…
       暇人♪失礼!訳とは関係ありません)

      その途中で、そのお方がふと思い出されたお宅がありましたので
      従者にお取り次ぎをさせて、そのお宅の中にお入りになりました。

      私は外で待ちながら、そのお宅の様子を見ていましたら
      荒れ果てた庭ではありましたが、露がたくさん降りてまして
      わざわざ焚いたのではないお香の匂いが、しんみりと薫りただよい
      ひっそり暮らしておられる様子が、とても趣き深く感じ入りました。
 
      ほどよい時間のあとで、そのお方が出て来れられましたが
      私にはそのお宅の様子がたいへん優雅に感じられて
      物陰からしばらく見ていますと
      その家のご婦人が、その方が出てこられた妻戸を少しばかり押し開けて
      月を眺めておられるるようでした。

      お客様を送り出した後で、すぐに掛け金をかけて
      お宅の中に引きこもってしまわれては、情緒もなく残念だったでしょう。

      また、後々まで見ている人がまさかいるとは
      おそらくご存知のはずもなかったでしょう。

      このような自然で優雅なふるまいは
      ただ朝夕の心がけ、そのお人柄によるのでしょう。

      そのお方は、まもなくお亡くなりになられたとお聞きしました。

      ※ 名文「雪のおもしろう降りたりし朝」(第三十一段)の次。
        大好きな第三十二段でした。

          

◇ 結局、中間に期末テストの古文・漢文は、試験範囲の丸暗記ですませした。
  テレビも見ずに(「巨人の星」や「夜のヒットスタジオ」(司会:前田武彦・芳村真理)は
  欠かさず見ましたけど)、とにかく古文や漢文は憶えるまで読み続けました。
  現代語との違いのある言葉を憶えるのと、今は使われていない言葉とか、
  あとは主語が誰か、何かを教科書やノートの書き込みを頭に叩き込みました。
  さすがに限度もありましたけど、そしたら、不思議や不思議…。
  中間や期末はほぼ満点近くを取れたものです
  (みんなはそこまでしなくても…取っていた…)。

          

◇ しかし、実力テストや全県模擬テストなどは、そうは行きませんでした。
  訳のわからない、知りもしない古人の迷めいた?文章が決まって出てくるのです。
  それはそれで仕方のないことでした。

       

◇ それでも、私は中間テスト、期末テストの「期間」が大好きでした。
  午前中で下校だからです。
  数学や化学や世界史はまあまあ得意、英語はしてもいっしょだからホッタラカシ。
  物理は2~3回受けた結果を足さないと100点にならない。
  先生が不思議がっていました。
  「数学が出来て物理ができんのはおかしかとやなかか?勉強が足らんとやろ!」
  「物理は合わんごたるとです。左利きなのに左手の法則もいっちょんわからんとです」

          

   ※ 「フレミングの左手の法則」は、イギリスのジョン・フレミングが発見した、
      電流が流れる導体にかかる力と磁界の関係を示したすもの。
      左手の中指と人差し指と親指を互いに直角の関係にしたら、こうなります。
                     (私なんかにゃ、それがどしたんぞ!?)
        中指    … 電流の方向
        人差し指 … 磁界の方向
        親指   … 電流が流れている導体にかかる力の方向

          
             □ もう終わりに近づいた「スカーレット・オハラ」

◇ 一夜漬けなんて、アホらしくて、まず絶対にしませんでした。
  それよりも、テストは通常午前中で終わるので、
  友達が図書館で勉強しているのを尻目に、
  私は一人で、あるいは友達と映画を見にいってました。
  高二くらいから、だんだんと洋画に惹かれていったのだと思います。
  映画「卒業」(ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロス・アン・バンクロフト出演、
  主題歌がサイモンとガーファンクル)が流行った頃です。
  それが、大学生の頃の映画好き(毎週2回くらいの3本立ての安い映画館漬け)に
  つながっていきました。
                                (To Be Continued)

          
            □ 注文していた、文庫とCDが届きました。
             「源氏物語」(須磨~松風)  
              ショパン・夜想曲全集Ⅱ(A.ルービンシュタイン)


コメント (6)
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