せっかくのGW、しかも天気が良い。
新緑の山に心が惹かれる。
ではどこの山に行こうかと思案するが、左膝の腸脛靭帯炎によって自分の登山限界が700m以下となっている条件が厳しい。
毎回候補に上がる「仏果山(747m)」はもうヤマヒルが出るので、今回も却下。
まだ登っていない「石老山(694m)」が第一候補となったが、鉄道とバスの乗換えが面倒で、しかも前日の買い物の時膝の様子に不安を感じたので、
乗物の接続もルートも何も考えずにふらっと行ける高尾にした。
といってもケーブルカーのある高尾山(599m)ではいくらなんでも山登りとはいえないので、高尾山の奥にある「小仏城山(670m)」に登ることにする。
それにしても、登り口まで直通電車(準特急)で行けて、そこからすぐに登り始めることができる高尾山の存在はありがたい。
ここなら山の上で食事もできるので、それに甘えて装備も軽くできる。
さて、京王線の高尾山口駅に降り立ち、駅の売店で昼食用に葉っぱ寿司を買い、ケーブルに乗る客の行列の脇を抜けて、沢沿いの直登路である6号路を進む。
周囲にはシャガが咲き乱れている。
シャガは中国原産ながら、日本の野山で野生化している。
群落になって根を広く張るので、土壌が安定するという。
登りは快調で、沢沿いの飛び石の道に難儀している初心者を尻目に、防水の登山靴で飛び石を無視してスタスタ登る。
今どきの高尾山頂は、レジャー施設の大食堂のように混雑しているのがわかっているので、迂回路をつかって奥高尾に入る。
つつじ平に出ると、残雪を戴いた富士がよく見える(写真:富士の右にある薄い影はカメラレンズの汚れです)。
道志山脈の奥にデンと構える富士は、高尾山程度であっても、下界で見るより、見上げる角度が低い気がする。
小仏城山に着いて、葉っぱ寿司を食べ、茶屋のなめこ汁を味わう。
前回はここから相模湖に降りたが、今回は高尾山口駅に降りてビールを飲みたいので(山の上では禁酒!)、往路を引き返すことにする。
ただ6号路は登り専用となっているので、繁華街のような大混雑(しかも外人が多い)の1号路を避け、琵琶滝に降りる。
この下山路は急な階段状の道。
とうとうここにきて左膝の靭帯が痛みだした(前触れもなく急に痛みだし、一旦痛くなったら悪化する一方)。
左膝には鴻江ベストを巻き、ストックを1本持ってきたのだが、ダメだった。
前回の小仏城山と同じ。
リベンジを試みるも、返り討ちに遭ってしまった。
歩幅を小さくして、左膝が蹴り出し足にならないよう送り足で歩けば、少しは痛みをごまかせる(蹴り出す時に一番痛む)。
とはいうものの、まともな歩行ができないことにはかわりない。
ごまかし続けてやっと下山。
予定通り缶ビールを口にしたが、味わったのは達成感ではなく敗北感。
どうやら、(一時的ではなく)本当に山に行けない体になってしまった…
正確には、登山はできても、下山ができない体に。
この後、帰名するのに、駅のホームの階段が辛かった。