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ウェルカム・ホーム 鷺沢萌

今年1月に文庫化された際に改めて書かれた書評に惹かれて読んでみたのだが、読後のほっとするような気持ちはこれまでのどんな本でも感じたことのない特別のものだった。文庫にならなければその書評を読むこともなく、したがってこの本を読むこともなかったのではないかと思うと、文庫化で読者層を広げるという出版社の行動が素直にありがたいと思えた。著者は2004年に自殺しているが、yahoo検索してみると「ファンサイト」が今でも運営されていることが判る。暖かい洞察力で飾らない文章を書く能力を授かった著者に、神様は「長命」までは与えてくださらなかったということか。それでもかなり多くの作品が残されているようなので、これから読み続けていきたい。(「ウェルカム・ホーム!」鷺沢萌、新潮文庫)
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