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「怖い絵」で人間を読む 中野京子
少し前にNHKで「怖い絵」という番組をやっていて、大変面白かった。本書はその番組のテキストを再編集・加筆して書籍化したものだ。番組は5、6回のシリーズだったが、そのうちのいくつかを見逃してしまったので、見られなかった分だけでも読もうと思って読んでみた。
読んでみて思ったのだが、テレビでみた部分も本で読むほうがやはりテレビで見るよりも内容が数段深くて面白い。圧巻は最初の「運命の章」だ。ベラスケスの肖像画に秘められた様々な秘密を知るにつけ、その絵の本当の怖さが心に迫ってきて、それはもう衝撃的といってもよいほどだ。「芸術は、先入観なくその作品と向き合い、絵そのものを見るべき」という考え方に対する著者のアンチテーゼは、本当に説得力を持っている。本論で述べられている絵が2ページ見開き、解説つきで掲載されているのも、読者に対して親切で大変有難い。美術の啓蒙書として稀有な良書だと思った。(「『怖い絵』で人間を読む」中野京子、生活人新書)
読んでみて思ったのだが、テレビでみた部分も本で読むほうがやはりテレビで見るよりも内容が数段深くて面白い。圧巻は最初の「運命の章」だ。ベラスケスの肖像画に秘められた様々な秘密を知るにつけ、その絵の本当の怖さが心に迫ってきて、それはもう衝撃的といってもよいほどだ。「芸術は、先入観なくその作品と向き合い、絵そのものを見るべき」という考え方に対する著者のアンチテーゼは、本当に説得力を持っている。本論で述べられている絵が2ページ見開き、解説つきで掲載されているのも、読者に対して親切で大変有難い。美術の啓蒙書として稀有な良書だと思った。(「『怖い絵』で人間を読む」中野京子、生活人新書)
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