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蒼路の旅人 上橋菜穂子

我が国最高のファンタジー小説と称される「守り人」シリーズの第6作目。シリーズは本書を含めてあと2作、いよいよ佳境といったところだが、本書と最終話の3部作の合計4冊は完全に1つの作品であり、本書の位置づけは、宣伝文句にもあるように、最終章3部作の「序章」ということのようだ。
 これまで、このシリーズは文庫化されたタイミングでゆっくり読んできたが、さすがに今度はそうはいかないだろう。本書を読み終わった段階で、次の作品の文庫化をゆっくり待つというのはほぼ不可能だ。続きがどうなるのか、主人公チャグムの運命やストーリー展開が気になるからだ。
 それともう1つ、このシリーズの特徴はバルサとチャグムという2人の主人公がいて、バルサが主人公の話は題名が「‥守り人」、チャグムが主人公の場合は題名が「‥旅人」という風に使い分けられていることである。本作の流れからいくと最終話の主人公は当然チャグムのはずなのだが、「‥守り人」という題名がつけられている。これは何を意味するのか。当然ながら、第一作以降別々の道を歩んでいた2人の主人公の話がどこかでつながることを意味しているのだろう。第1作で一緒に登場した2人がどのように最終話で係わり合うのか、そこが最終話の最大の楽しみであり、最終話を文庫化まで待てない最大の理由だ。(「蒼路の旅人」上橋菜穂子、新潮文庫)
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