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オリーヴ・キタリッジの生活 エリザベス・ストラウト

アメリカのポートランドという地方都市に住むオリーヴ・キタリッジという老女の物語。ピューリッア賞を受賞した話題作ということで読んでみた。彼女が主人公だったり、脇役だったりという短編が続き、全体として1つの長編になっているという構成は、日本でも良くみるが、世界的な流行なのだろうか。田舎町に住む老女が主人公ということで、一見地味な話ではあるのだが、アメリカの現代の病理のような話が満載で、それが嵐のように吹き荒れる。本書を読んでいると、アメリカで住むことのストレスの多さ、それを中和するためのカウンセリングの隆盛といったことが良く判るような気がする。外見上は平静を装ったアメリカ人の心の中に、こんな毒が潜んでいるのかと思うと、少し怖い。(「オリーヴ・キタリッジの生活」 エリザベス・ストラウト、早川書房)

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