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未知なるミャンマー 春日孝之

ちょうどミャンマー出張を終えて、久し振りの本屋さん巡りをしていて見つけた本書。ジャーナリストであることを知られると入国出来ない恐れがあるので、「紙幣研究家」として入国、身元がばれないように、不審に思われないように注意しながらぎりぎりの取材を続ける姿が興味深い。内容は、さすがに紛争地域の取材になれたジャーナリストという感じのしぶとい取材姿勢、軍事政権への一方的な批判に終わっていない点などが良いし、象徴としての象・獅子・クジャクという動物のデザインの意味などなるほどという感じだ。たまたま今回の出張では、2時間ほど時間があまり、親しくなった現地の人に「白い象」のいるところに連れて行ってもらったのだが、本書を読んでその「白い象」が政治的に大きな役割を果たしていると知ってびっくりした。ついでのように書かれている「紙幣のデザイン」の話も面白い。町や空港で昔のミャンマーの紙幣を売っているのを良く見かけたが、何度も「廃貨」政策が実施され突然紙幣が紙くずになってしまったその紙幣をお土産として売るというのは良く分かる気がする。その時、お土産に買おうとは思わなかったが、本書を読んで、少し買ってくればよかったかもと少し後悔した。(「未知なるミャンマー」 春日孝之、毎日新聞社)

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