goo

アウンサンスーチーはミャンマーを救えるか 山口洋一、寺井融

このところミャンマー関連の本を本屋さんで見かけるとすぐに入手して読むようにしており、本書はそうした本の3冊目にあたる。テインセイン政権の自由化政策、ミャンマーに対する欧米の政策転換後のミャンマー・ブームを踏まえて刊行された本書は、世の中の「軍事政権=非民主主義=悪」というイメージ先行のミャンマー観をバランスのとれたものにしたいという意思がはっきり現れた内容となっている。それぞれの国の民主化の道程にはその国独自のやり方があるという考えや、ミャンマーが多民族国家であり、まだ完全に民族の宥和が実現していないことやイギリスの過酷な植民地政策の傷跡が多く残されていることが、ミャンマーの一本道の民主化を難しいものにしているという本書の立場は、ミャンマーの人と少し関わりを持っている者としては、本当に良く判る気がするし、ミャンマーの人たちの暖かさ、誠実さに触れていると、「ビルメロ」と呼ばれるビルマフリークの気持ちが何となくわかる気がする。(「アウンサンスーチーはミャンマーを救えるか」 山口洋一、寺井融 マガジンハウス)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )