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ゆんでめて 畠中恵

本シリーズは文庫本で読むことにしているが、今回は新しい文庫が刊行されるまで随分待たされたような気がした。今回も、いつものような連作短編集だが、全体として大きな仕掛けが施されているのが特徴だ。最初の場面から、次の話が4年前に遡り、3年前、2年前と進んで、最後にまた現在に戻るという構成で、一つ一つのお話は独立しているようでいて、最後の話に色々な関わりをもっているという複雑な仕掛けだ。大変面白い仕掛けだと思うが、その全体の構成に関する話の内容と、一つ一つの話の関わりが良く分からない話もあって、仕掛けの面白さが100%活かされていないような部分もあるように思われるが、それでも、シリーズを飽きさせない嗜好としては十分楽しめた。(「ゆんでめて」 畠中恵、新潮文庫)

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