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るり姉 椰月美智子

2009年本の雑誌年間ベスト10に選ばれたと帯に書かれている本書。本屋さんで本書を見つけた時、なぜ今まで読んでいなかったのか不思議な気がした。こうした見落としというのは、まだまだいくらでもあるのだろうと思うと、読んでいない本が机の周りに100冊近くも積んであるのに、もっと本屋さんに行かなければと思ってしまう。さて本書の方は、細やかな表現やさりげない言い回しが随所に感じられ、本当に良い小説だなぁと思う。こうした話には何故か既視感のようなものがつきまとう。叔母さん、叔父さんというのは親密さ、距離感がちょうどよいのだろうか、小説の対象としては最も頻繁に登場するキャラクターのような気がするし、子どもにとって家事に追われる自分の母親と比較して叔母さんというものが自由で奔放に感じられるという設定も色々な小説の題材になっている気がする。しかし、そうした設定の多くの本のなかでも、本書が特に忘れ難い印象を与えてくれるのは間違いないだろう。それと、最初の章の終わり方が大変意味深で、その後どうなったのかが大変気になる。しかし次の章からは話が過去にさかのぼってしまうので、その答えがなかなか見えず、結末が判るのが最後の章の最後の方という仕掛けも、しゃれている。(「るり姉」 椰月美智子、双葉文庫)

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