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大絵画展 望月/諒子

いわゆる「コンゲーム」小説。絵画を巡る歴史的事件や日本での騒動などをうまく取り入れて、現実・非現実が渾然一体としたストーリーになっていることにまず感心させられてしまった。話の内容は、ただ一直線に突き進む詐欺事件の経緯を追っているだけなのだが、随所にちりばめられた絵画に関する薀蓄がアクセントになっていて面白い。絵画に関する薀蓄も、私の知識と照らし合わせても、間違いや破綻はなく、よく調べられているなぁという印象だ。難点を言えば、登場人物に対して共感できない部分が多少ある点だが、これは物語の性格上、話の最初の方で人物描写をあまり細かくできない人物がいる、という事情もあるだろう。駅の本屋さんで見つけた本だが、電車の中や待ち時間に読むにはうってつけの1冊だと思った。(「大絵画展」 望月/諒子、光文社文庫)

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