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ハリネズミの願い トーン・テレヘン

今年の本屋大賞翻訳部門の大賞を受賞した作品ということで読んでみた。内気なハリネズミが知り合いの動物たちを家に招待しようと招待状を書くのだが、色々な妄想をして結局出せずに終わるという話だ。何かの寓意があるのかもしれないが、それにしては話が単純で、寓意の内容も分かりやす過ぎる気がする。多くの書店員が本書を一年間の翻訳本のイチ押しという理由がよく分からない。本の帯には色々な人の推薦のコメントが載っていて、話題になったのかもしれないが、それだけで選ばれたというのも解せない。翻訳本の市場がどんどん小さくなっていると言われるが、この本が大賞に選ばれることと市場の縮小、どちらが原因でどちらが結果なのか、恐らく両方だろう。少し悲しい話だ。(「ハリネズミの願い」 トーン・テレヘン、新潮社)

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