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ヒトラーの描いた薔薇 ハーラン・エリソン

50年以上前に書かれたSF短編集。最近の書評などでの著者の持ち上げ方をみると、これまで著者の名前を聞いたことがなかったのが、不思議な感じがする。海外での評価と日本での評価にギャップがあって翻訳がされなかったからなのか、海外での評価に変化があったのか、そのあたりはよく分からない。読んでみて思ったのは、どの作品も人間社会に対する絶望に近い暗さ、既存の権威への強い怒りが根底にあるのだが、それでいて最近のSFなどよりもよほど面白いということだ。巻末の解説では、ある作品について「やや古臭いが…」とあったが、個人的には全くそうは感じなかった。自分自身、最近のSFにはついていけないと思うことが多いが、一般的には「古い」と言われるくらいの作品が自分にはちょうど良いのかもしれないと感じた。(「ヒトラーの描いた薔薇」 ハーラン・エリソン、ハヤカワ文庫)

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