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まともな家の子供はいない 津村記久子

中学生の視点で描かれたいくつかの家族を巡る日常。早熟であることを強いられる子どもたちと、幼児性を残したままの大人たちによって構成される家族というものが、残酷なほどリアルに描かれている。「いつまでも子供の気持ちを持ち続ける」ことがほめそやされる風潮への反旗、それを見つめる子どもたちが大人に向けて浴びせる心の罵倒。本書で描かれる家族の唯一の救いは、子どもたちの個性あふれる多様性だけのような気がした。(「まともな家の子供はいない」 津村記久子、ちくま文庫)

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