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山手線謎日和 知野みさき

山手線の駅を舞台にしたコージーミステリー短編集。登場する人物やストーリーはかなり類型的で気軽に読めることは間違いないが、短編ごとに少しだけやや重たいひねりが入っている。歩きスマホをしている人にわざとぶつかって転ばす愉快犯、痴漢の現場で何も出来ない傍観者などをどう思うか、話はどんどん進んでいくのだが、最後に読者の頭にこの問いが残ってモヤモヤするのだ。著者がそうした効果も想定しているのがすごい。(「山手線謎日和」 知野みさき、角川)

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