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営繕かるかや怪異譚 小野不由美

建物にまつわる怪異現象とそれを鎮める営繕屋の活躍を描いた短編集。鎮めると言っても、お祓いをするとか力で封じ込めるのではなく、怪異の原因を営繕という間接的な方法で折り合いをつけるというのが本書の最大の特徴だ。不思議な現象を不思議な力で押さえ込むというのは二重の意味で不自然だが、ここで描かれているのは本当にそんなことがあるのかという疑問や科学的でないといった批判はひとまず置いてという話だ。本書では同じような構造の話がいくつも並んでいるが、不思議と飽きることなく読み進められた。(「営繕かるかや怪異な」 小野不由美、角川文庫)

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