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不明解日本語辞典 高橋秀実

著者独自の感性で選んだ約40の言葉を手掛かりにして、日本語というものについて、あるいは言葉を発するということについて考察したエッセイ集。その言葉の意味を確かめるためにその言葉の語源を探ると、ますます意味が分からなくなる。そこから浮かび上がってくるのは、日本語というものの曖昧さだけではなく、「言葉には意味がある」といこと自体への疑問だ。様々な考察を経て、著者は言葉には「意味がある」のではなく、発した言葉がその状況に応じて様々な「意味をなす」という結論に達する。言葉を文章にして発することを生業とする著者の覚悟のようなものを感じさせる一冊だ。(「不明解日本語辞典」 高橋秀実、新潮文庫)

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