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通り魔 結城昌治

「昭和ミステリールネサンス」と銘打った復刻版シリーズの一冊。一番古い短編は50年くらい前の作品だ。この作家の作品を読んだ記憶はないが、当時の人気作家だったので、団塊の世代の人たちの再読を当て込んだ復刻なのかもしれない。内容は、ホラーのようなものから本格的なものまでバラエティに富んでいて楽しかった。夫婦間の事件が多いのは、亭主関白といった前時代的な存在が崩れてきた頃に書かれたものだからかもしれない。そうしたことも含めて時代をしっかり感じさせる一冊だった。(「通り魔」 結城昌治、光文社文庫)

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