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辺境メシ 高野秀行

大好きな冒険家の著者による、世界中のトンデモ食の食レポ集。テーマからして面白くないはずはないのだが、案の定大変面白かった。ゲテモノ食といえば、まずとんでもない食材というジャンルが思い起こされる。本書でも、ゴリラ、蟻、イモムシ、ラクダ、ムカデなどの食材が紹介されていて驚かされるが、本書の真骨頂はそれから先の話だ。本当のトンデモ食というのは、食材だけに限らず、その食材のどの部位を食するかという点やどういう料理方法を用いるかということで、驚き度が倍増するのだ。何でそんなところを食べるのか、何でそんな料理方法で食べるのか、そこまで考えないと、本当のトンデモ食というものが理解できないことを本書は教えてくれる。本書の中で自分が心底度肝を抜かれたのが、アフリカのカートという食材と、中国のある動物のある部位を使った餃子の話。いずれも、こんな話を書いて良いのかとても心配になった。特に後者は人道的に許されるのかしらと恐怖すら感じてしまった。(「辺境メシ」 高野秀行、文藝春秋)

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