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愛なき世界 三浦しをん

植物の研究に全てを捧げる女性研究者を著者独特の暖かい筆致で描くお仕事小説。本書で一番驚かされるのは、その主人公の研究の内容がつぶさに描かれている点だ。ここで描かれた研究が果たして本当に先進的なものなのかどうかは分からないが、よほど綿密に取材をしなければこのようには書けない筈だ。研究の内容とその進捗状況がつぶさに描かれていることで、主人公の切迫した状況、感情の起伏が読者の心に迫ってくる。(「愛なき世界」 三浦しをん、中央公論新社)

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