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推し、燃ゆ 宇佐見りん

芥川賞受賞作。最初は聞き慣れない不思議な言葉がポツポツと出てくるのでやや戸惑ったが、少し読むとそれにも慣れてきて、今の言葉で書かれた今の話を読んでいるという新鮮味のある読書体験となった。そもそも読む前には、「推し」というのが「アイドルなどを応援している」状態ではなくその「対象そのもの」を表わしていることすら知らなかったのだが、読み終えるとその辺の使い方まで何となくわかるようになってしまった。別にわかるようになったからどうということもないのだが、そうした言葉の使い方一つ一つに新しさを感じる一冊だった。この辺りの新しさは、大昔に村上龍の「限りなく透明に‥」を読んだ時に感じた感覚と似ている気がした。(「推し、燃ゆ」 宇佐見りん、河出書房新社)
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