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そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか 能町みね子

週間文春の連載コラムをまとめたエッセイ集の3冊目。テレビで話題になったりネットで炎上した事件について、その当事者の発言や文章の言葉尻からその事件の本質を探るという内容は今まで通り。毎回、言葉に対する著者の感覚の鋭さに舌を巻くのだが、本作はこれまでの2冊以上にその感が強かった。「高輪ゲートウェイ駅」命名のいざこざでは、駅名正式発表の半年前にほぼその駅名を当ててしまっていて「こんな名前はいやだ」とあるのにはびっくりした。また、日頃から自分も感じている「流行語大賞」への違和感については、「スポーツ特にプロ野球好きで若者の文化に疎い50過ぎのおっさんの好み」と分析、なるほどそういうことだったのかと納得した。それ以外にも読んでいて「なるほどそうか」と気づかされることが多く、今回もすごい本なぁと思いながら読み終えた。(「そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか」 能町みね子、文春文庫)
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