書評、その他
Future Watch 書評、その他
オンライン講演会 放浪天文学者の宇宙ゆんたく
面白そうなオンライン講演会を見つけたので視聴してみた。講師は島袋隼士博士という雲南大学の天文学者で、天文学の初心者向けの講義とのこと。講義の内容は①現代宇宙論に投げかけられた2つの謎 ②現代の宇宙観測と技術開発 ③宇宙の創生という3つ。①は、最近よく耳にする暗黒物質(ダークマター)ともう一つ暗黒エネルギー(ダークエネルギー)の話で、最近の研究ではこの2つが宇宙の95%を占めていて普通に観測できる物質は宇宙の5%しかないというまさに主客転倒の謎。素人としてはこうなったら物理学は最初から考え直した方が良いんじゃないかとさえ思ってしまった。②は世界の最先端の宇宙観測技術、地上望遠鏡と衛星望遠鏡の観測成果の解説で、衛星による宇宙観測が日本のお家芸という話にびっくりした。③は、宇宙創生の謎について現在までにわかっていることの解説。要するにこの話になると観測のできない世界なのである意味最先端の学者でさえ観念的な推論の状態から脱していないらしい。ここでは、100億光年というマクロスケールと素粒子論というミクロスケールが何故か合体するというウロボロスの蛇の話が面白かった。ともあれ、昔ブルーバックスで読んだ「ひも理論」の本などを思い出し、その頃と混沌とした状況は「超」がついた分むしろ深まってしまっているような気がした。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )