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驟り雨(はしりあめ) 藤沢周平

久しぶりに読む著者の作品。代表的な作品は大体読んでいると思うが、こうしたシリーズ物でない小品集には未読のものもかなりあり、たまたま本屋さんで見かけたのを読んでみた。記憶にある著者の作品は下級武士をが主人公のがものが多かった気がするが、本書の主人公は全て町人で、職業も職人、博打うち、泥棒など色々。こうした市井の人々の暮らしぶりや彼らにとっての人生の一大事が簡潔な文章でドラマチックに語られる。これらは必ずしも勧善懲悪ではないが、短い掌編を続けて読んでいるうちに、人間はやはり誠実に生きなければなぁと思えてきた。(「驟り雨(はしりあめ)」 藤沢周平、新潮文庫)
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