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ひきこもりグルメ紀行 カレー沢薫

著者の本は初めて読むが、これがめちゃくちゃ面白かった。各地の名産を食べ歩くといったエッセイは色々あると思うが、本書は出版社からランダムに送られてくる地方の銘菓や食材を著者が食べてコメントするという内容。安直な企画にも思えるが、送られてくるということは基本的にお取り寄せができるということであり、昨今の外出自粛の状況を先取りしたような企画とも言える。実際、色々な銘菓が紹介されるたびにネットで取り寄せ方法の確認作業をおこなうことになり、それも面白さの一部になっている。但し、本書の本当の魅力は、著者の独特の文章にある。銘菓の模造品を「ジェネリック食品」と表現したり、「カロリーは最大の調味料」という格言が紹介されたり、「食品業界には意外と揉め事が多い」といった分析が紹介されたりで、一つ一つが色々な面白さを醸し出している。早速、著者の別の本をネットで探して次に何を読もうかと考えてしまった。新年早々楽しみな作家を見つけ嬉しくなった。(「ひきこもりグルメ紀行」 カレー沢薫、ちくま文庫)
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