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サクランボの丸かじり 東海林さだお

シリーズ文庫化の最新刊。いつも通りの食に関するエッセイ集だが、少しだけいつもと違う雰囲気を感じた。それは、文章の中に歌の歌詞とか短歌詩歌の一節などが比較的頻繁に登場することだ。今まで気にしたことがなかったので、これまでの作品にも同じくらい頻繁にそうした文学作品の引用が登場していたのかもしれないが、本書では物語の掴みにそうした文学作品のフレーズが重要な役割を果たしていることが多いと感じた。逆にいつも通りの面白さという点では、「秋刀魚2尾定食」「ギョーマイ」「理想のランチ」などいわゆるチャレンジものが本書でも面白かった。このシリーズ、いいところは継承しつつ、微妙に変化もしていると感じた。(「サクランボの丸かじり」 東海林さだお、文春文庫)
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