goo

まず牛を玉とします 柞刈湯葉

著者の本は初めて。広い意味でSF短編集ということになるのだろうが、宇宙を舞台にした活劇風のものから、改変歴史物、大正時代の日本が舞台のものまで一つにジャンルでは括れないバラエティ豊かな一冊だ。個別の作品では、表題の「まず牛を玉とします」「犯罪者には田中が多い」「石油玉になりたい」「東京都交通安全責任課」などはいずれも、発想の意外性、ユーモア、論理展開の見事さが相まって今までに読んだことのない面白さ。実は、著者の本で一冊買ったままずっと未読になっている本がある。どこかにしまってあるはずなので探してみて、見つからなければ書い直してでも読んでみたくなった。(「まず牛を玉とします」 柞刈湯葉、河出書房新社)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )