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人間たちの話 柞刈湯葉

著者の本は4冊目だが、どれも期待通りの面白さだ。本書では、生命とは何かを考えさせられる表題作や、ジョージオーウェルの「1984」のパロディのような「たのしい超監視社会」の2編が印象に残った。また、巻末の「No Reaction」のポップなオチには大笑いした。著者の本全般に言えることだが、物語の面白さと著者の科学的知識に翻弄されてしまい、どこまでが科学的事実でどこからが著者の妄想なのかが判然としなくなってしまう。これがSFの魅力のひとつなんだなぁと実感させられる。(「人間たちの話」 柞刈湯葉、ハヤカワ文庫)
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