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夜のエレベーター フレデリック・ダール

50年以上前に刊行されたフランスのミステリー。刊行当時欧米では大ヒットし映画化もされた作品ながら、日本では翻訳されていたにも関わらず書籍化されていなかった幻の名作とのこと。事件は、クリスマスの晩にパリ郊外で起きた殺人事件。昔の作品だけに、叙述トリックとか、時間が行ったり来たりとか、語り手が途中で変わるといった最近のミステリーでは当たり前のようなテクニックは皆無で、時系列通りにわずか半日の出来事が語られる。トリック自体は読んでいておおよそ見当がついてしまうような単純なものだが、話が二転三転して行き着く先が何とも物悲しい心に残る作品だった。(「夜のエレベーター」 フレデリック・ダール、扶桑社文庫)
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